第十弾は、「Create a lifestyle」をテーマに理学療法士・鍼灸師でありながら京都市北区にある、森のサウナReplusを経営する和田孝明(@和田ちゃん )さんにお話をお伺いしました。
週7日働いていた専門職から一転、なぜサウナを開業するに至ったのか。和田さんが大切にしている思い、そして和田さんが考える幸せとは?
株式会社 Replus 代表取締役 和田 孝明さん
理学療法士・鍼灸師・スポーツトレーナーとしてスポーツ整形外科クリニックで勤務する傍ら、2021年に京都市北区の約1万坪の森の中に「森のサウナReplus」を開業。Re=元に戻す・再び plus=以上の・何かを加える 「心と身体を再起動し明日の活力を得てもらえるように」を理念にウェルネスライフを目指す。なるべくリスクを取らない、という戦略
ー早速ですが、和田さんのお仕事の内容から教えてください。
月曜日と水曜日と金曜日は病院で理学療法士として働いています。自分の会社も持っていてクリニックとはもう15年くらいの付き合いで、開業当初からそこのドクターと一緒にやっていて、5年くらいで軌道に乗ったので、今はもう自由にやらせてもらっています。鍼灸師も持っていますが、もう二年ぐらい鍼を打っていないですね(笑)。
火曜日と木曜日の日中は森のサウナに行って、土日はコンサルの仕事が多いですね。サウナにいるときは時間が空くので、そこにミーティングを入れて1日3本ほどZoomをしていますね。
ーコンサルはどのような内容をされているんでしょうか?
サウナプロデュースが主で、ブランディングやマーケティングからホームページ制作、建築まで全部を手掛けています。僕は総監督みたいな立場で、僕らの仲間、ブレーンのなかからアサインしていって、サウナとかヴィラ、キャンプ場を作るときにデザインから運営まで全部コンサルする仕事が最近は多いですね。
3、4年前くらいから整骨院の技術コンサルには入っていたんですけど、こういうサウナのようなレジャー系をやり出したのは森のサウナReplusを始めてからですね。
その前は、同志社大学のラグビー部にトレーナーとして1日張り付いていたりもしましたね。正直、自分でも何をしてるか分からないです(笑)。
ー原点とも言える理学療法士をまずされようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?
もともと、実家が病院を経営していたんですよ。昔から身近に医療があったので、スタートはそれがきっかけでした。最初は別にやる気もなかったんですけど、保険として国家資格があって、僕が資格をとった15年前は安定していると言われていたので、なにかひとつのことを失敗したときのリスクヘッジとして、一生死なないカードを持っておきたいという18歳くらいの発想ですかね。
ーそうだったんですね。その後、鍼灸師を取得しようとされたのですか?
それは30歳くらいのときですね。開業も視野に入れてました。開業を一緒にしたドクターが僕より15歳ほど年上で、その人にずっとついていくのは物理的に無理だったので、その後のことを考えて、独立できるように鍼灸師の資格を取りました。
でもこれもリスクヘッジで、昔からなんかしたいなっていうのはあって。ただ小心者なので、何かお守りがないと不安というか。
ーそこからのサウナという発想は今までの保険という考え方からは大きな転換ではなかったですか?
いや、そんなこともなく(笑)。
もともと別荘があって、僕が相続するに当たってその活用方法を模索しているときに、僕がやっている仕事、健康やウェルネスという広い文脈となにか掛け算できたらなっというところからスタートしました。直さんの本にも出会って、ちょっと可能性を感じたのもあります。
京都って銭湯がめちゃくちゃ多いんですよ。だから昔からみんなサウナに入っているし、生活の一部みたいな感じでしたね。ただ、京都でサウナを商売としてやると言った時は、みんなから反対されましたね。あまりにも安価で。銭湯とか行くと490円ほどでサウナに入れるんです。所謂、今あるサウナブームが流行り出して、ちょっと火がついたかなぐらいのときだったので、みんなからサウナやって大丈夫?みたいな感じはありましたけど。僕のなかでは、失敗しないようにデザインしながらっていう感じですね。基本的に僕はリスクをとらない人なので、勝負してる感は全くなく、石橋叩いて行ってる感じで、失敗しても笑えるぐらいのことしかできてないですね。
サウナも損益分岐点を見て、まぁいけるでしょみたいな感じで。最初は特別感を出すためにわざと紹介制でやっていました。そのときはClubhouseが流行っていたのですが、今はインスタだけを使っていて、基本的に公に出す情報量を少なくして、秘密の隠れ家のような位置付けでリピーターさんでできるだけ回っているような感じにしてますね。なので、テレビとか雑誌の取材とか全部断ってるんですよ。なので、インタビューを受けるのは初めてかもしれないです(笑)。
▼森のサウナReplusのInstgramは下記から
https://www.instagram.com/replus075/
身近な人を大切にする
ーお話を伺っているとコツコツと計画をして物事を進められるイメージを持ったのですが、今までの人生の中で大きな転換点はありましたか?
サウナをやらせてもらってから会う人で世界は広がった感じがありますね。元々医療という業界にいたので、自分で会社作ったりとか、初めてのことばっかりだったので。
でも僕一人では何もできないので、僕ができないことをみんなに助けてもらって、チームを組んでやってるという感じです。
ー人を上手に巻き込んでいるイメージがあるのですが、そういった方たちとのご縁はどのようなきっかけで生まれているのでしょうか?
もともと昔からの京都の同世代の友達ばっかりですね。昔からの友達が建築やってたり、いろいろですね。
ーサウナの開業はコロナ真っ只中だったと思いますが、コロナ前後での和田さんのライフスタイルや考え方で変わったことはありますか?
今子供が6歳なんです。コロナのときは2歳くらいでしたが、僕はほぼ家にいなくて。週7日、毎日狂ったように働いていたんですけど、それが強制的に家にいることになって、気付いたら子供が成長してたんです。それをちょっと見つめ直せて、今は家族との時間を大切にできていますが、あのまま走っていたら、家庭は崩壊していたなって思います(笑)。今も週七で予定が入っていることもありますが、土日は好きなように休みますし、働きたいときは働きますし、家にいる時間は長くなりました。
時間があるということは、お金があるし、心の安定もあるということじゃないですか。だから自分でコントロールできる時間があるというのは、あらゆる面で幸せなんじゃないかと思いますね。
ー直さんとの出会い、ラボに入るきっかけは本だったのでしょうか?
本ですね。サウナブームの火がついてきたときに、これは裏の仕掛け人は誰なんだろう、どういう仕組みになっているんだろうってずっと考えてました。直さんの本を何冊か読んで、業界の中に直さんがいて、全部裏で仕掛けにいってるなと知ったんです。デュアルライフに感銘を受けて、僕もそうしたいと思いました。直さんも誰かを持ち上げるのが得意じゃないですか。自分が前に出るより誰かに前に出てもらうやり方に僕も憧れはありますね。
昔は前に出たいタイプでしたが、自分を考えたときにやっぱり精神的に弱いし、図太くない。図太いように思われるんですけど、批評を受けるのに神経質なんですよ。僕、芸能人みたいに批判されたら、絶対精神的にもたないタイプだなっていうのを悟って、前に出ないようになりましたね。自分が傷つかないように生きています(笑)。
必要な人には必要なタイミングで出会う
ーHonda Lab.に入って二年間、影響を受けたことはありますか?
出会いですかね。間違いなく最初に知名度を上げてもらったのは直さんなので。色んな人に出会わせてもらって、直さんが京都に来るときに声掛けてもらうなかでの出会い。色んなタイプの経営者がいるし、情報鮮度も良いので、すごく感度の高いメンバーがいるので刺激を受けますね。サウナにも色んな人が集まって来てくれますし。
必要な人は必要なタイミングで出会う、というのを最近は思いますね。この人に会いたいなと思っても、繋がろうと思ったら繋がれるんですけど、自分からはアクションし過ぎない。その人にとって僕が必要だったらいつか会えるかなと思ってます。
ー人とのご縁で気を付けていることや意識されていることはありますか?
気を使いすぎないことですかね。曝け出す。気を使った関係だと後々しんどくなるので。そして僕も気を使われると、気を使われてるなって思うし、逆に相手にもそう思わせてしまうので。だから一周して気を使わない。
人と人を繋ぐ、それが自分の喜びにもなる
ー今後、されたいこと・計画されていることはありますか?
来年ぐらいに、サウナの奥にキャンプ場を作ることを考えています。今は火木土しか営業していないので、月水金は僕ら京都の若手の経営者のたまり場みたいな感じなんです。僕がいなくても。
直さんと似ているのですが、人を繋ぐのが好きなんですよ。友達を友達に紹介して、僕より仲良くなってくれたら嬉しい。この人とこの人が結びついたらビジネスになるな、とか。別に僕にマージンは何もないんですけど、それでみんなが喜んでくれたら僕も嬉しいし。人と人を繋ぐのは昔からやってるかもしれないですね。
僕は有名になりたいとか、何かを成し遂げたいというのは全くないんです。だから、50歳でセミリタイアして沖縄に移住してゆっくりするのが人生の目標ですね。だから今はしゃかりきに働いて、50歳になったらパッとリタイアして、沖縄でペンション経営でもしたいなと思ってます(笑)。ペンション作って、沖縄に友達が来て、一緒にバーベキューしてみたいな。
ーそれは素敵ですね。理学療法士と経営者を両立すること自体が生活のメリハリになっているのでしょうか?
そうですね。僕は理学療法士という仕事が好きなんですよ。ただ、理学療法士って給料が少ないんです。だから今はバランスが取れてるなっていう感じです。10年間はどの理学療法士より頑張った自信があるんです。学会発表したり、トレーナーしたり、自分の精一杯を10年やったと思うんですよ。この仕事は好きなので、今後も続けていきますが、一区切りとして経営も始めました。
経営も面白いですよ。知り合いの医者がサウナに来たりとか(笑)。同じ業界の人と違う場所で出会って、色んな人が繋がって、めっちゃ面白いんですよ。Honda Lab.のぬかとゆげの吉岡先生(@ナオキ )も僕が絶対入った方がいいですよって言ったんです。
ーそこでも人を繋がれていたんですね。素敵です!最後にLab.の方たちにメッセージをお願いします。
コロナも明けてきて、リアルタイムで会える機会が増えてくると思うので、皆さんとリアルタイムでお会いしたいですね。だからFirst Tuesdayも、月一回は東京に行けるかなと思うので、今年は皆さんに会いにいきたいです。
ーリアルでお会いできることを楽しみにしています!今日はありがとうございました!
今回の「Honda Lab. SPOT LIGHT」でも専門職でありながら経営やコンサルと多方面に活躍する和田さんのお仕事のお話、大切にされている価値観等、様々なお話を伺うことができました。和田さん、貴重なお時間をありがとうございました!
今後もHonda Lab.メンバーへのインタビューを実施していきます。お楽しみに!
interview @みぃ @しゅーへー(大箭周平)
Text by @しゅーへー(大箭周平)
Support. @Yasuto @Kei @まいまい