第26弾は、株式会社NO EXCUSE代表/株式会社SAMURAI SQUARE代表/RICCAR(リッカー)代表/ 桑原和寛(@桑原和寛 )さんにお話をお伺いしました。

北九州でミシン事業、福岡市内で民泊、宿泊管理業を営む桑原さんはいかにしてミシンの世界に入り、人気ブランドの商標権を取得するなど旋風を巻き起こしているのか。お話をお伺いしました。

株式会社NO EXCUSE代表/株式会社SAMURAI SQUARE代表 桑原和寛さん

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株式会社NO EXCUSE代表/株式会社SAMURAI SQUARE代表/RICCAR(リッカー)代表/ミシンの卸と小売やミシン専門店「ミシン生活」の運営や住宅宿泊管理業者として複数の民泊物件の管理している。

一思いがけずミシンの世界へ

―ラボにはまだ桑原さんをあまりご存知でない方もいるので、今のお仕事からおうかがいしてもいいでしょうか。

    ミシン本体の小売りや卸をメインに、ミシン教室、ハンドメイドのイベントの企画なども行っている、株式会社NO EXCUSEの代表をしています。

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株式会社NOEXCUSE
https://noexcuse.work/

    また福岡市内では、民泊、住宅宿泊管理業を行っている株式会社SAMURAI SQUAREの代表もしております。そちらでは地域の商店会に所属して、街おこしのような活動もしています。

株式会社SAMURAI SQUARE
https://samurai-square.net/

―ミシンの業界はニッチなように思うのですが、ミシン事業をしようと思ったキッカケはどのようなものだったのでしょうか。

    もともとは、福岡市内でダスキンの個人代理店をしていました。仕事内容としては、お店や会社のマットやモップなど、掃除道具のレンタルの契約を取って、毎月交換に行くことがメインでした。そのなかで、福岡市内でミシンの専門店を複数店舗展開している社長さんがクライアントでいらっしゃったんです。その社長さんとの出会いが一番の最初のきっかけですね。

    その社長さんが、すごくパワフルで、若い僕から見たらとても魅力的だったんです。いろいろ話を聞いているうちに、ミシンの仕事にすごく興味を持ちました。初めは、ダスキンの個人代理店をやりながら、「土日だけ勉強させてください」とお願いをして、土日だけミシンのお店に出させてもらうようになりました。そこでいろいろ勉強させてもらいながら、そっちの方が楽しくなってきたので、ダスキンの代理店もやめて、2年ほど、その社長の元でミシンの勉強をさせていただいて、その後に自分のお店を持つことになりました。

    本当は自分が住んでいる福岡市内にお店を出したかったのですが、師匠のテリトリーを避けて、隣町の北九州で1店舗目をオープンしました。

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―ありがとうございます。ミシンの魅力にとりつかれたからこそ、そちらの道に進まれたのだと思いますが、桑原さんが考えるミシンの魅力はどのようなものがありますでしょうか。

    日本のミシンメーカーって実は世界でも人気なんです。世界のベストファイブのミシンメーカーに、日本のジャノメ、JUKI、ブラザーが入るほど、日本のミシンは技術が高いんですよね。

    ミシンは「ものをつくる」機械で、その中でも没頭できるところが魅力でしょうか。知れば知るほど奥が深い世界で、僕も携わる中でどんどん魅力を発見しています。

―実際にミシンをお求めになる方はどのような方が多いのでしょうか。

    一般のお客さまが買いに来るお店ですので、親御さんが多いですね。特に入学、入園のシーズンになる3月、4月が繁忙期です。お子様の幼稚園や小学校で指定されたものを縫うために、必要になってお求めになる方が多いですね。あとは、ミシンを使うことが好きで、どんどん良いミシンに買い換えるお客さまも一定数いらっしゃいますね。

一ハンドメイド、ミシン業界を盛り上げる

―桑原さんはミシン業界の中でも新しい取り組みを仕掛けていると思うのですが、アイディアはどのようにして生み出しているのでしょうか。

    根底にあるのは、自分が携わっているハンドメイやミシンの業界を盛り上げていきたいという想いがあります。ミシンの業界は、昭和の全盛期に比べたら、だんだん縮小しているんです。そんな中で、若い人に興味を持ってもらうにはどうしたら良いかな?といったことは常に考えていますね。

    あとは、ラボのみなさんにもたくさんアイディアや刺激をいただいています。

―そのひとつとして「リッカー」のブランド権を取得されていましたよね。

    少し説明をすると、「リッカー」は昭和に家庭用ミシンでトップシェアだった時もあるほどの、業界では有名なブランドです。

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    それほど有名なブランドではあったのですが、会社自体は無くなってしまったんです。でも、「リッカー」というブランド(商標権)を所有している会社はあったんですよね。僕はこの仕事を始めた時から、「リッカーのブランドを復活させられたら面白いことが出来るな」とずっと考えていました。そこで、商標権を取得すべく、会社に問い合わせたのですが、相手が上場企業ということもあり、門前払いだったんです。(笑)

―そこからどのようにして、商標権を取得されたのでしょうか。
   
    Naoさんに相談をしたところ、思いがけないアイディアをいただきまして、その通りに行動したら相手の態度が変わって、ちゃんと話をさせてもらえる状況になり、ドバさんのアドバイスも取り入れながら熱意を伝え続けることで取得できたんです。

    ただブランド権を取得したあとも、簡単にはいかず、やっと2024年に一つ目のミシンをリリースすることができました。

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▼目標金額の931%達成!!株式会社NOEXCUSE、RICCAR(リッカー)ニードルパンチミシンのクラウドファンディングプロジェクトが盛況終了


    色々大変なことはありましたが、ブランドの力はすごくて、昔のファンの方から「復活させてくれてありがとう」といった手紙をいただくこともありました。中には匿名でお金が送られてきたりもして、ビックリすると同時に、ブランドの強さを感じました。

―それだけ愛されていたブランドだったんですね。

    そうです。テレビCMも放映するなど、昔のリッカーの会社がたくさんお金も時間もかけてやってきたものを受け継がしてもらってるので、それをしっかりとちょっといい形で復活させて、今後もう1回リッカーっていうのをしっかりと確立させていきたいと思っています。

一有言実行。コツコツ積み上げでXフォロワー1万人達成。

―お話をお伺いしていると、色々なことにチャレンジをされている印象なのですが、大切にしている価値観はどのようなものでしょうか。
   
    お店を始めるときもそうだたったのですが、最初勢いで始めたところもあって、最初の3年ぐらいは本当に1日も休みもとらずに働きました。根性論ではないですが、人が休んでいるときに休まずに人の倍働いて、結果を出していくタイプですね。「有言実行」と言いますか、何かをやうと決めたら覚悟を持ってやり抜く。そういうところでしょうか。

―Xもそのひとつなのでしょうか。
   
    そうですね。2022年にリッカーミシンのブランドの所有権を所得して、リッカーブランドをどのようにPRをしていこうかと考えた時に、Naoさんが常々、「自分のメディアを持っていると強いよ。」と言っていた印象が残っていたんですね。当初は、インフルエンサーに頼んで、リッカーミシンを宣伝してもらう方法も良いと思っていたのですが、確かに自分がその業界のインフルエンサーになって宣伝できたら一番強いよなと思ったんですね。

色々な媒体がある中でも、気軽に始められそうで、個人のアカウントもあったXに取り組むことにしたんです。そうした経緯で2023年の目標に、「自分メディアを1つ確立する」ことを掲げて行動しました。具体的には、フォロワーを1年以内に1万人にする目標を立てて、2023年の1月から本格的に運用を始めました。

https://x.com/kkazuhiro13/


―いつ、1万人を達成されたんですか。

    たしか、10月ぐらいには達成したと思います。

―すごいですね。1年以内にフォロワーを1万達成しようと思ったら、ただ発信するだけでは難しいと思います。

    そうですね。普通にやっていたら難しいと思います。ですので、Xの中で、フォロワーの多い方に教えてもらったことを素直に実践しました。やはりすぐに出来上がるものと違って、毎日の積み重ねで築き上げたものは、そう簡単に崩れないと思って、日々積み重ねた結果ですね。

―その反響はいかがでしょうか。

    やはりフォロワーが1万人を超えてから、徐々に認知もしていただけるようになってきたように思います。ハンドメイドの雑誌にもお声がけをいただいたり、監修の仕事をいただけたりなど、幅は広がりましたね。

―素晴らしいですね。5年後、10年後など、これから取り組まれたいことなどはありますでしょうか。

直近では、やはりリリースした「リッカー」のブランドを良い形で活かしていきながら、大手メーカーではできないようなやり方で、業界をもっと活性化させるような取り組みをしていきたいと思っています。

もう少し先の未来で言えば、ハンドメイド作家さん、ミシンメーカーの方など、業界での横のつながりが生まれるコミュニティーを作りたいという思いはありますね。

また、本業のミシンと絡めながら、街おこしを形作っていけたらとは思っていますね。

一ここでしか会えない人、ここでしか受けられない刺激があります。

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―最後に、ラボメンバーの方、そして、ラボに入るか迷っている方へのメッセージをいただけないでしょうか。

     まず、Naoさん、ラボの皆さんには本当に感謝しかありません。成長や挑戦のキッカケを本当にたくさんいただいています。仕事だけでなく、人間としても気付かされることも多いですし、挑戦している仲間の姿を見て、「自分も負けてられない」という想いが出てきたりするなど、本当に刺激をもらっています。毎日、会社と家の往復だけの、いわゆる普通の生活では得られない刺激や出逢いをたくさんもらっていますね。そのようなコミュニティに所属できて、皆さんと接する機会をいただいて本当にありがたく思っています。


    今回の「Honda Lab. SPOT LIGHT」では、リッカーブランドの取得、Xの目標達成をはじめとして、桑原和寛さんの価値観まで深いお話を伺うことができました。桑原和寛さん、貴重なお話をありがとうございました!

今後もHonda Lab.メンバーへのインタビューを実施していきます。お楽しみに!

interview @みぃ
Text by   @Yasuto