第二十二弾は、総合商社に勤めながら、Honda.Labのコミュニティマネージャーでもある千葉拓也(@チバタク  )さんにお話をお伺いしました。

グローバルな舞台で活躍するデジタル事業開発のプロフェッショナルでありながら、Honda.Lab コミュニティマネージャーも務めるチバタクさんのお仕事に懸ける思い、大切にされている価値観、そして人生を変えたHonda Lab.での経験とは?


Honda.Lab コミュニティマネージャー    千葉拓也さん
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ヨーロッパは北欧などグローバルを舞台に総合商社でデジタル事業の立ち上げを行う。 旅を愛し、訪れた国は70を超える。Honda Lab. コミュニティマネージャー。IRONMAN。




世界を股にかけるネオサラリーマン

 
―現在のお仕事は何をされているのでしょうか。

    現在は総合商社でデジタル事業開発をやっています。具体的には、欧州のデジタル/IT系企業への出資や買収交渉、更には出資後の事業シナジー創出に向けた戦略の立案や事業計画の策定等を担当しています。
    Honda Lab.のメンバーには経営者や弁護士、お医者さん、有名シェフ等々たくさんすごい方がいると思うんですけども、そういう意味では僕は本当に何の変哲もないただのサラリーマンです笑
 

―現在の総合商社に入られたきっかけは何だったのですか?

    元々は日系大手のIT企業で働いていたのですが、転職して今の商社に入りました。そこでの海外勤務等を経験して、商社の人と仕事で繋がりを持ったりする中で興味を持ってって感じなのですが、、、、あれ、こんな真面目な話でいいんでしたっけ?笑

―真面目な記事ですので大丈夫です笑。

    はい笑。大きなきっかけは産業のデジタル化が進んだ事ですね。今でこそDXとかAIとか当たり前のように聞くし、スマートフォンも当たり前にみんな持って様々なアプリを使いこなしていると思いますが、自分が就職した当時の2006年の時点では、まだどちらかというとITって社内システムとか限られた機会でしか触れる機会が無かった。まだ完全にガラケーが主流でした。それがどんどん時代が変わり、ITやデジタルが様々な既存産業と結びついて、結果人々の生活の中心に当たり前に存在するようになった。iPhoneの登場であったり、自動運転であったり、これまでの人々の行動様式をガラッと変えるイノベーションが起きてきていて、その中心にITやデジタル技術がある。そういう時代が来ているなと思ったときに、ITそのものをサービスとして提供する側(前職)から、既存事業とそのような技術を結び付けて事業開発を進めていく側(今の会社)で仕事をしたい、それを世界中でやりたいと思ったのが商社に転職した理由です。

    余談ですが、日系大手IT系からの転職だと、AmazonやGoogle、Microsoft等の外資系に行く人が結構多いのですが(待遇もかなり良いので)、自分はあまりそれはやりたくなくて。後の話にも繋がりますが、やっぱり会社員として働くなら日本企業で勝負したいっていうのに拘っていた部分はあります。日本が大好きなので。

―なるほど。ITの分野にはもともと関心があったのですか。

    いえ、全くなかったです笑。
    大学生の時はスーツで満員電車に揺られつまらなそうに通勤する人たちを見ながら「卒業後に俺は本当にこのまま社会に出て働くのか、、、?」と日々悩んでて笑。それこそ、卒業したら一度世界を回る旅にでも出ようかなと思っていたくらいです。
    そこから周りに流されて何となく就活を始めた中で、こんなこと言っていいかわからないけど、とりあえず1回会社員として働いてみて、嫌だったら速攻で辞めて旅に出ようとずっと思っていました笑。
    そんな中で、どうせ働くのだったら何かしら軸となる産業/業界や軸となる経験を積んだ方が良いなと思い、IT×グローバルという軸で1社目(前職)の日系大手通信会社に入社した感じです。

    先ほど言った通り会社員なんか2,3年ですぐ辞めてやるってずっと思っていたけど、気づけばもうすぐ社会人20年目に突入です笑。海外勤務を含めて本当に数多くの経験、そして数多くの尊敬する方やかけがえのない仲間に出会うことができ、会社で働く、という道を選んだ事を後悔した事は一度も無いです。

    サラリーマンってつまらなそうだな、、って満員電車を見ながら思っていた20年前の大学生の自分が今の自分の姿を見て「あ、サラリーマンでもイケてる人いるんだ」って思ってくれたら最高なのですが、、、笑


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2024年7月、出張先のポーランドにて


―旅をすることも昔からお好きなんですか。

    好きですね。自分にとっての旅の現体験は、大学2年生のとき、まだ19歳の時に初めて一人旅で行ったトルコ。当時は英語も全然喋れず、お金もなくてっていう時です。

    空港からバスに乗り、トルコのイスタンブールの町に出た瞬間の衝撃的な感覚っていうのがずっと忘れられないです。見たこともない美しい街並み、モスクや石畳、そこに溢れる人々のパワーを感じながら、常にピリピリした感覚を感じながら街を歩いたのを鮮明に覚えています。その感覚、出会った景色や人、日本と全く違う文化、親切にしてくれた食堂のおばさんの姿や会話の内容まで、全部はっきりと今でも憶えていますね。

    当時はスマホなんて無かったから、現地のインターネットカフェに入って親や友人にyahooメールでローマ字で生存連絡を送ったりもしてました笑。財布盗まれたらどうしようとか、テロで爆発に巻き込まれたらどうしようとかも考えました。お金無くなると困るから靴下の中に現金入れて歩いてたのですが、それを忘れててそのまま帰って来ちゃって、洗濯しようと思って靴下見たら皺くちゃになったお札が出てきたりとかありましたね笑。

    そういう経験の全てが新鮮で、ワクワクしましたし、それが原体験として、海外を実際に訪れる楽しさと同時に、日本人であることのアイデンティティーを感じるきっかけになったと思います。
    その経験からどんどん海外を旅するようになりましたし、仕事においてもグローバルで働くということにも繋がっていったのだと思います。。


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初めての海外1人旅、トルコ。当時19歳。


―旅をするなかで一番思い出に残っていたり、自分を大きく変えた国はありますか。

    3つありますね。
    一つは先ほどお話した、初めての一人旅で行ったトルコ。

    二つ目は20代後半に生活をしたオランダ、アムステルダム。会社の派遣員として現地で働いていたのですが、海外に住むのも、海外で働くのも初めてで、多国籍な生活環境、価値観の中での生活を通じ、世界中に大切な仲間もできました。日本では考えられないような経験も沢山して、この辺りから自分の中での価値観もいわゆる「普通のサラリーマン」から少しずつ変わってきた気がしますね笑。
    その意味でも、あなたにとってのアナザースカイは?と聞かれたら、間違いなくアムステルダムです。

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20代後半。アムステルダムで出会った仲間達


    最後は2022年にHonda Lab.メンバーでIRONMANを走ったスペインですね。
    スペインは元々凄い好きな国で、もちろんIRONMANの前にも何度も行った事はありますが、大好きなバルセロナの街でIRONMANを共にチャレンジしたメンバーとの時間はこれまでの自分の人生におけるハイライトと言っても良い経験の一つだと思います。

    レース後にみんなでバスク地方(サンセバスチャン)に行って、そこでナオさんのお薦めのバルをひたすら周って美味しいものを食べまくったのですが、その時に過ごした時間や見た景色は、やっぱり初めてのIRONMANを一緒にやりきった仲間だからこそ見えた景色だと思います。

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2022 IRONMAN BARCELONA
 

コミュニティマネージャーとして紡ぐ絆と挑戦

 
―Honda Lab.のコミュニティーマネージャーになるに至った経緯はどのようなものだったのでしょうか。

    明確に自分がコミュニティーマネージャーやらせてくれみたいな話をナオさんとしたことは実は無いんです笑。

    Labには自分は2020年に0期で入らせてもらって、既に4年間位になるのですが、当時からナオさんのライフスタイルへの憧れとか、先輩でもあるマサトさんへのリスペクトが強くあったなかで、そういう凄い方達がいるコミュニティの中で自分に何ができるかなっていうのをずっと考えていました。

    自分はナオさんの著書「ゆるいつながり」からコミュニティとの向き合い方を学びましたが、「コミュニティから何かを得る」のでは無くとにかく「コミュニティに対してまず自分がどのようにコントリビュートできるか」を考え、実践していました。ブログで発信したり、定期イベントのFTの運営を手伝ったり、とにかくコミュニティに対して役立てることは全部やろうと思っていましたね。ただ、何か見返りを求めて動いたという訳ではなく、それ自体が本当に楽しくてやっていた感じです。

    そしたら、ある日突然ナオさんからメッセージが来て、「このSlack入って!」っていうメッセージと共にリンクが貼ってあって、何だろう?と思って入ったら、Labの運営チームのSlackで、「あ、俺入るんだ?」みたいな所からスタートしました笑。

    基本的にはそれまで通りで、どうやったら自分がLabに貢献しつつ自分もエンジョイできるかなというのを考えていて、それを行動していった感じですね。
   
    結果的にコミュニティーマネージャーをやらせていただいて、ナオさんにとても感謝しています。全体を見渡せていろんな人とより深く繋がれましたし、メンバーを巻き込んでトライアスロンを始めた事もその繋がりから生まれたものでした。また、コミュニティ運営という点で、ナオさんの考え方やノウハウを間近で見て勉強させていただけた事は、本当にかけがえのない貴重な経験をさせてもらっていると思います。


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4年前、ナオさんと初対面。緊張してお腹痛くなりました笑


―4年経って、チバタクさん自身が変化したこと、PXしたことは何がありますか。
 
    一言で言うと、人生が変わったかなと思います。PXどころの騒ぎじゃないです。

    ナオさんをはじめとする尊敬する先輩たち、目標に向かって共にコミットし刺激し合える大切な仲間たち、今では行きつけとなった大切なお店の数々。その全てはLabの存在無くしては出会ってすらいないので、今のライフスタイルも価値観も生まれていなかったと思います。その全てのきっかけを与えてくれたのはやはりラボの存在であり、ナオさんのお陰です。

    人生を豊かにするのは人との出会いであり、一緒に過ごした時間と経験であるという事を身をもって強く実感させてもらった4年間でした。

    その意味でナオさんがよく言われている「これからはコミュニティを自ら選ぶ時代」であり、「これまでの協調性から、今後は共感性をベースとした組成にコミュニティは変わっていく」というのは、会社に勤めている自分自身も強く共感します。

    2020年のコロナ渦真っ只中、これから社会がどうなるんだろうとみんながそれぞれ不安を抱えていたあの時、一早くナオさん自身がまずは実験としてHonda Lab.を立ち上げた。世の中が変化に躊躇するタイミングに逆に思いっきり変化に舵を切ろうと自分も決めていたので、一切の躊躇なく直感でHonda Labへの加入を即決したのですが、その点については自分で自分を褒めたいと思います笑。

    とはいえ現段階ではまだ何の変哲もない会社員っていう肩書は変わってないのですが笑、Labを通じて出会い、今日までずっとお世話になっている人々や得る事のできた経験や視野はやっぱりこれまでと全然次元が違うものになっています。
    それまでも楽しく人生過ごしていましたが、どこかモヤモヤしたものを抱えながら生きてきたのも事実です。そこに対しての答えを持った人がLabにはたくさんいて、そういう人たちと一緒に旅をしたりお酒を飲んだりすることも物凄く自分にとっては価値があることなんですよね。
    都内はもちろん、熊本に行ったらツネ(@ツネ熊本【日置経尊】 )さんに会えたり、福岡にはコージさん(@コージ )やカズさん(@桑原和寛 )がいたり、ハワイには物凄いメンバーでのハワイ支部があったり。大切な仲間たちが全国各地にできた事、またそこから様々な繋がりを築けたことが本当に嬉しいし、同時に人だけでなく、日本各地のたくさんの美味しいお酒、食事、ホテル、サウナ施設等に出会い、体験する事ができた事も全てのはじまりはLabの存在であり、ナオさんのお陰って言うところから全部始まっています。

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    いわゆる一般的なオンラインサロンとかだとどちらかと言えばinputがメインになるのかもしれませんが、その意味ではLabは完全にoutputというか自分自身の行動を起こして人との繋がりを通じてはじめて価値が生まれるコミュニティだと思っています。何かを与えてもらう、みたいなスタンスだとあまり活用できないと思っています。自ら自分自身が当事者になって体験していくっていう意識、人を巻き込んでいくっていう意識、ひいては、それをやっていくための信用をためる活動とか、さっきのコントリビュートじゃないですがそういうところがとても大事になってくると思います。
 
 

豊かな人間関係が幸せを形作る

 
―チバタクさんが人好き合いで大切にしていることや意識してやっていることはありますか。
 

    僕なんかが偉そうに語れないのですが、一般人代表として。笑

    何個かあるのですが、一つは常にフットワーク軽くいるっていうこと。特にコロナ渦は世の中と逆行して(笑)日本中動き回って色々な人に会いに行きました。なぜなら、「実際に会い、実際に体験する」事に勝る経験値の積み上げ方は無いと思っているからです。

    例えば、まだ海外にも行きづらいタイミングであった2022年5月にハワイに行ってホノルルトライアスロンに出場したのですが、まだみんながマスクをしていた当時の日本での状況とは打って変わって、既にハワイは誰もマスクをせずアフターコロナを前提とした社会になっていた。それも現地に行かなければ決して分からなかったし、見る事のできなかった景色でした。

    会社員としての限界値はもちろんあるのですが、そこも限界ギリギリ挑戦してきたこの4年間だったかなと思っています笑。
    フットワーク軽く、お声がけ頂けたら極力直接会いに行く、いろんなところにお邪魔するっていう事をこだわって来た中で繋がったこと、得ることが本当にたくさんあったと思います。


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2022年5月、まだコロナ禍の中みんなで行ったホノルルトライアスロン。最高でした!!



    二つ目は、助言に対して素直であることです。
    これは何も考えずに人から言われた事を妄信するという事では全くなくて、むしろ自分の頭で考えつつも、尊敬する人からの助言であれば、まずそれを即実行してみる。まずはあれこれ考えず実行しつつ、走りながら自分の頭で考え、チューニングしていく。やっぱり経験値がある人からの助言というのは、自分があれこれ考えるよりも圧倒的に正解である事がほとんどなので、まずそれを実行してみるようにしています。

    自分の人生においてトライアスロンとは絶対に無縁だろうなと思っていましたが、ある時ナオさんから「トライアスロンとワインに一度しっかりやる事は人生を必ず豊かにするよ」と言われ、よしやるかと、翌日には超苦手のスイム練習を始めていました笑。そうしているうちに「どうせトライアスロンやるなら一度IRONMANに挑戦した方が良いよ」と言われ、まだトライアスロンデビュー前にも関わらず、仲間と一緒にその場でIRONMANにエントリーしました笑。

    ちょっと極端な例かもしれませんが、その決断によって行動を生み、その行動によってかけがえの無い経験と仲間を得る事が出来ました。人から助言を受けても何となくすぐ行動に移す事ってハードルが高いと思うのですが、やってみて何か違うと思えばやめればよいだけの話なので、まずはやってみる事にしています。


    最後は、リスペクトを持ちつつフラットに自然体で接するという事ですかね。
    この点については自分もまだまだなので、むしろ、そうなりたいと思っている点なのですが。
    ナオさんって、僕が知る限り誰に対しても本当にフラットなんですよね。僕たちのような後輩に対しても、ナオさんから見て年上の方にも平等にリスペクトを持ちつつ常に自然体で接しているように見えるのですが、それが故にあらゆる世代から好かれ、尊敬されるのだと思います。

    それが何故かというと、自分の中にぶれない軸があるからなのかなと。僕は今まではそれがなかったから、会社員的に目上の人にはぺこぺこしたり、ある意味忖度みたいな発言もしていたのですが笑、そんなことには何の価値もないなという事をLabでの人間関係を通じて学びました。

    自分の中に確固たる軸があれば、誰に対しても取り繕わずにフラットに(もちろんリスペクトは持ちながら)接する事ができ、それが結果的により深い人間関係を築く事ができる。

    10年前ぐらいの映画で『最強の2人』っていうフランスの映画があるのですが、まさにあれだなと思います。
 
―ぶれない軸という点で今のチバタクさんが大切にしている価値観や座右の銘はありますか。

    最も好きなナオさんの著書のタイトルでもある『Less is More』ですね。この言葉は本当に深いと思っていて、「多くのモノを捨てて身軽に生きよう!」というミニマリズム的な発想とも少し違う。自分なりの捉え方は、「人それぞれに本当に大切なものがあるはずで、まずはシンプルにそこにしっかりとプライオリティを置いたライフスタイルを追求しよう」という事です。本当に大切なものに目を向けずに周辺環境を豊かにした所で、それは真に幸せな人生でないのかなと。超お金持ちなのに何故かずっと険しい顔して不幸せそうな人って時々いると思うのですが、まさにあれだなと笑。

    自分にとって本当に大切なものは明確で、人。それは家族であり、友人です。物質的、物理的な豊かさの人生の幸せに占める割合は微々たるものだと思うけど、人との出会いや共にする経験の豊かさが人生の幸せに占める割合は本当に大きいと思っています。

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日本の価値、会社員の価値を再定義し、世界と繋がる未来へ

 
―これから未来へ向けて取組んでいきたいこと、実現していきたいことは仕事でもプライベートでもありますか?

     少しふわっとした話にはなってしまうのですが、二つあります。一つは「日本の価値に向き合い、活動していく事」、もう一つは「会社員の価値を再定義する事」です。

    一つ目の「日本の価値に向き合い、活動していく事」についてですが、自分自身40代に入り、これまで世界中の様々な場所で仕事をしたり旅をしたりしてきた中で、日本という国の素晴らしさと価値、逆にもっとこうすれば更に良くなるという所を様々な面で強く感じています。そこに対して、仕事を通じてなのかプライベートなのかは分かりませんが、自分がどのように貢献できるかを真剣に考え、実行していきたいと考えています。

    きっかけとしては、資本主義の価値観の中でグローバル化が進むことで、ニセコに代表されるように海外資本によって日本のある場所が開発され、そこに来るお客さんも高いお金を払える外国人が大半を占める、という事がこれから先日本中の各地で起きてくると思っています。これは日本にとってもある意味ではチャンスなので一概に否定するつもりは全く無いのですが、店舗や不動産を持つオーナーが外国人、お客さんも大半が外国人、そこで働く従業員だけが日本人という構図が広がる事で、日本固有の文化や、地元の人たちが代々守ってきた大切なお店や場所が失われてしまう事だけは絶対に避けたい。
    自分自身、出身は横浜で比較的シティボーイなのですが笑、それでも地元の土地を残してくれたおじいちゃんやおばあちゃんの顔を浮かべると、やはり先祖代々が大切に守ってきてくれたこの日本という国の文化や土地を僕たちの世代でしっかりと受け継ぎ、後世に繋いでいきたいという想いは強くあります。

    グローバル化の流れは当然止める事ができないので、そこに抗う事無く、日本の魅力を再定義しながら、新しい形で日本という国がグローバル社会とどう向き合っていくべきかをこの時代に生きる僕たち一人一人が真剣に考え、実行していく責任があると思うので、一人の日本人として自分もそれを実行していきたいと思っています。

    二つ目の「会社員の価値を再定義する事」についてですが、冒頭に、自分自身は何の変哲もない会社員って言ったのですが、それは紛れもない事実です。でも一方で、会社員だからこそできる事ってたくさんあるなと思っていて、そこの価値は大きいと思っています。

    一般的な会社員のイメージと経営者を比較すると会社員の方が圧倒的に自由度は低くて、出会う人も基本的には近い属性の人が多い。仕事内容も会社に握られていて、魂込めて取り組んでいたら人事異動で次の月には全く違う仕事をしていたり、僕のような会社だと世界中に転勤の可能性があったり笑。

    これまではそうだったのだと思うのですが、これからは会社員であっても好きな場所に住んだり、複業で好きな仕事に携わり続けたり、自由に世界中を飛び回ったり、会いたい人に会いたい時に会ったり、そういう事ができるような世の中に既になりつつあるし、そうなるべきだと思います。

    なので、辞めて経営者になるかor会社員を続けるかの二択では無く、どちらの良い所も活かした新しいライフスタイル/ワークスタイルに挑戦していきたいと思っています。
    理想はナオさんが言われている「仕事と遊びの垣根がない状態」。やっぱり仕事って楽しいし、一人では実現できない事を実現する事のできる手段だと思います。FIREとかには全然興味なくて、働く事を通じて前述の日本への貢献や、共感し合える仲間と目標に向って進んでいく過程をエンジョイしていきたいと思っています。


―日本人が日本の良さを知るために、まず何からアクションしていけばいいと思いますか。

    日本のことを知るためにもっと外(海外)を知る、見る必要性はあると思います。当たり前のようにずっと日本で生まれ育って、日本で暮らしていると、その良さに具体的に気付きづらい。
    いまニューヨークやロンドンに行くと当然のように日本の2-3倍ぐらいの物価で、更に円安もあって普通に衝撃を受けるのですが、それでも全体的なサービスクオリティは日本の方が絶対に高い。食にしても交通等のインフラにしても。海外だと飛行機から出てきたスーツケースの車輪が取れてたり、自転車を預けたら破損してたりが普通にあって、それらにクレームを出した所でだいたいI don’t knowみたいな感じで普通に終わる笑。日本だとクレームになって航空会社が謝るとかあると思うのですが、世界標準でいうとむしろ前者がスタンダードで、日本が際立ってお客様思考というか、「お客様は神様」的な思考が今も過剰に残っていると思います。結果として消費者側がサービス提供者側に甘え過ぎていて、今後世界標準化が進んでいく今後を見据えるとそれがとても危険だと思っています。そこの変化に気付かないまま日本という国でしか生きられない茹でガエルになってしまうと、逆説的ですが、今後のグローバル化が急速に進む日本社会においても生きづらくなってしまうのかなと。なので、年齢問わずに海外に出て現地を見る重要性は本当に感じますね。

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IRONMAN BARCELONA後、みんなで行ったバスク地方のサンセバスチャン


―最後にHonda Lab.の方たちへメッセージをお願いします。

    バルセロナIRONMANを完走した後、文字通り満身創痍の状態でホテルの部屋に戻ってきてiPhoneを見たら、Labメンバーが本当に夜を徹して応援してくれていて、100件位のメッセージが来ていたんですよね。

    あれを見た瞬間の感動は一生忘れないし、帰国後のFTでも慰労会をやってくれて、その時の空気感が本当に暖かくて、僕は人前で滅多に泣かないのですが、めちゃ込み上げてくるものがありました。。。普段はあまり言わないですが、そこに対する感謝をずっと持ち続けています。

     その経験を通じて、全力のチャレンジを全力で応援し合える仲間って本当に素晴らしいなと感じました。もちろんLabはトライアスロンだけをやるコミュニティでは無いので笑、
その後のワインエキスパートへの挑戦や、今回のお寿司の話、この後に続くいろんな挑戦など、やっぱりチャレンジをお互い応援しあえる、チャレンジを応援しながらレバレッジしていけるようなコミュニティでありたいなと思いますね。
IRONMAN完走してからあっという間に一年半も経ってしまったので、そろそろ自分も次のチャレンジをしようと思います笑。


いつも本当にありがとうございます。


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    今回の「Honda Lab. SPOT LIGHT」では、グローバルな舞台で活躍するデジタル事業開発のプロフェッショナルである千葉拓也さんのお仕事に対する思いから、Honda lab.との出会いや大切な価値観、今後のビジョンまで、様々なお話を伺うことができました。@チバタク さん、貴重なお話をありがとうございました!

今後もHonda Lab.メンバーへのインタビューを実施していきます。お楽しみに!

interview・Text by @しゅーへー (大箭周平)