クリス・ハドフィールドという人物をご存知でしょうか?カナダ人として初めて宇宙空間を歩いた元宇宙飛行士です。またカナダ人初の宇宙ステーションのコマンダーとしても活躍しました。本の執筆も行っており、ニューヨークタイムズのベストセラーにもなった程です。現在は世界中で講演活動なども頻繁に行っています。そんな彼と直接話をする機会があったので是非みなさんとシェア出来ればと思います!

雅彬:まず最初にクリスさんについて少し聞かせてください。宇宙飛行士を目指したきっかけと、困難なプロセスをどう乗り切ったのでしょうか?

クリス:色んな人たちの行動にインスパイアされたんだ。それが、私の人生で何をするかを決める大きな理由となった。その中には、サイエンスフィクションの本を読んだり映画を見たりというのも含まれているよ。もちろん、ファンタジーを持つことは簡単だが、実現するのは非常に大変だ。ファンタジーと現実が混じり合ったリアリティは、私の心の中で宇宙飛行士になるという決意として常に存在していたんだ。本物のスペースシャトルで宇宙に出て、そのファンタジーを現実のものに出来たのはラッキーだったからだ。

どうやって困難を乗り越えることが出来たかって?自分自身に不可能と思える人生のゴールを与え、そのゴールを達成するために日々の生活の中の小さな事を決めていたからだ。これは、非常に価値のあるプロセスだ。自分の目指す誰かになると発言するのは簡単なことだが、本当に大変なのは自分自身を変えてその誰かになることだ。例えば、エベレストに登ると言うのは簡単だが、山頂に辿り着くことは簡単でないようにね。エベレストの山頂に辿り着くには、山登りにスキルを身に付け、入念な登山計画を立て、そして何よりも自分自身が登山家になる必要がある。これは簡単なことじゃない。私の場合は、ファンタジーと現実に存在する好例を組み合わせ、長期のゴールとして自分の中に持ち続けたことが鍵だったんだ。そのゴールが次に何をすべきかということを決断する指針になった。そして途中で宇宙飛行士になるというのは本当に難しいことだと分かった。だから私は宇宙飛行士になることだけをゴールとせずに、その途中に沢山の小さな目標を設定して、達成するたびに祝福するようにしたんだ。例えば、エベレスト登頂がゴールだとしたら、まずは自分の家から行ける山に登る、次に富士山に登るというようにね。重要なのは不可能と思える長期のゴールを持ちつつ、そこに到達するまでの一つ一つステップの達成を祝うことだ。

雅彬:つまり、大きくて壮大なことを考えつつ、そのために今日できる小さなことのコンビネーションですね。

クリス:その通りだ。大事なのは祝福するのを遠い未来まで待たないことだ。大きな夢を達成するまでの小さなステップを明確に定め、それを達成する度に祝杯するんだ。人生は日々の小さな決断の積み重ねの中で起きている。だからこそ、小さなステップをより喜ばしく祝福で溢れたものにするんだ。そうすることで自分には達成出来るという満足感と信念が生まれる。

雅彬:すごくインスパイアされるし、なおかつ現実的なアドバイスですね!

クリス:もし、君にインスピレーションを与え、なおかつ現実的だとしたら私の人生は成功だったと言えるね。

雅彬:宇宙ってどんな所なんですか?物理的にも自分のコンフォートゾーンの外側である地球の外側にいる感覚って興味があるます。

クリス:そうだな。人生の中で最もエキサイティングで面白くて、そして学びが多い経験というのはいつも自分のコンフォートゾーンの外側だ。

例えば、私が飼ってるパグのアルバートが今朝はベッドから中々出てきてくれなかった。いつもの散歩にも来ないでずっと毛布にくるまって寝てたんだ。ベッドの中にいるのは心地いいだろうさ。ただ、彼は今日何も学ぶことが出来なかった。天気の移り変わりや、林の匂い、新たな1日を体験することが出来なかったんだ。

私たちは成人した人間だが、多くの人がアルバートと同じことをしてしまう。自分が慣れ親しんだベッドの中で毛布にくるまっている。ベッドのシーツも毛布のカバーも同じまま。それでは、自分自身の人生を広げることは出来ないだろう。体験したことのない新しい世界に自分自身をさらさなければ人間として成長することは難しい。

ベッドが崖から落ちそうになっているにも関わらず、ベッドの中からまだ出たくない、まだ準備が出来てないとベッドにしがみついて外に出ることに怯えている。そんな状況は避けたいものだ。

つまり、宇宙空間に行くというのは、十分な準備、想定、学習をすることで、自分自身を宇宙の外にいる自分に変えるプロセスだ。宇宙に行ったことがないのだから、誰にとっても明らかにコンフォートゾーンの外の世界だが、準備をすることで宇宙という現実に直面した時に圧倒されてないようにすることが出来るんだ。体験しなければ、決して知ることが出来ないような世界に身を投じることは自分の人生間や人間としての幅を広げてくれる。

私にとって、それはとても良い生き方だ。毎日、何か新しい体験やアイディアに自分自身をさらしてみる。毎日が何かを学んだり体験する素晴らしい機会になるだろう。宇宙船に乗って宇宙に行くってのは、その延長で最も極端な例だ。しかし、この体験なしでは今の私はなかっただろう。宇宙に行ったことだけじゃない。それを実現するために準備した20年間が私の人生で非常に大きな意味を持っている。


雅彬:つまり、自分の現状に常にチャレンジしながらも、そのチャレンジのための準備をし続けるということですね。

クリス:そう、その両方が重要なんだ。私の人生の中にはいくつか満足していることがあるよ。けれど、私にはまだまだ知らないことが沢山ある。だからこそ、新しいことを知ったり体験するために日々準備をし続けるんだ。そして、実際に体験することで自分自身にインスピレーションを与える経験をすることが出来る。

もし、エベレストに登りたいのだとしたら、どういった準備をするかが、実際にエベレストに登る時の体験を大きく変えるってわけさ。だからこそ、準備と体験の双方が自分自身を形作るのさ。


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