今から6年前の2016年に出版されたナオさんの著書である、『何を捨て何を残すかで人生は決まる』。
https://www.amazon.co.jp/何を捨て何を残すかで人生は決まる-青春新書インテリジェンス-本田-直之/dp/4413044819/ref=nodl_
読まれた事がある方も多いかと思いますが、その冒頭に登場する『ないものはない』のキャッチフレーズでお馴染みの島根県隠岐諸島/海士町に@おおえわたる さんの企画プロデュースのもと、
先月のBusiness Lab.合宿で行って来ました!
また、関連して5/15 11:30より海士町オンライントークイベントの開催を予定しています!
ナオさんはもちろん、今回の合宿の企画運営をして頂いたワタルさん、現地での交流がきっかけでラボに入会された@けいいち (海士町在住)さん、@Shinさん、そしてEntôの代表を務められる青山さんにもゲストとしてご参加頂き、
海士町における数々の取り組みをご紹介頂きながら、参加の皆さんと一緒に『本当の豊かさ』について考えていけたらと思っています!
こちらはBusiness Labメンバーで無くても参加可能ですので、ご興味ある方は是非ご参加下さい!
https://hondalab.jp/events/29d1b5791b80
初めに:
『ないものはない』が持つ意味とは?
海士町のキャッチフレーズである「ないものはない」に込められた想いとして、海士町のサイトにデザイナーの梅原真氏のコメントが書かれていました。
“僕もローカル(高知県)に住んでます。
条件がいいところではない。
しかし「良し」も「悪し」もその土地の個性だと思うのです。その個性の上に、生きていく生き方を考える。
それが「ユタカ」なことです。
もっとほしい、もっとほしい、もっとほしいと言っている人間が、なんだか変なことにしているような気がしてる。
「ないもの」は、
なくていいんじゃないの?
「大事なもの」が、
ここに全部あるんじゃないか?
「ないものはない」
離島・海士町の本質を語るとこの言葉になりました。
これは海士町の本質でありながら、地球全体の本質ではないのか。
そういう思いを僕はもっています。”
https://naimonowanai.town.ama.shimane.jp/
とても考えさせられる言葉ですが、実際に現地を訪れたてみて、ないものはない、には2つの意味があるのでは無いかと感じました。
① 無くても良いものは無い
② 大切のものは全てある
キャッチフレーズの通り、島には信号機やコンビニは見かけませんでしたが、
以前から隠岐に住まれている方と移住された方が力を合わせ、地域活性に奮闘されている方々のエネルギーに満ち溢れた場所でした。
町の人々との交流や歴史を学ぶ事で、『本当の豊かさとは何か』について深く考えさせられる3日間となりました。
また、今回のもう一つのキーワードは『ジオ』。
隠岐諸島がユネスコ世界ジオパークとして認定されており、地質学上とても貴重な歴史を持っている事をとてもリアルに感じる事ができました!
皆がジオを意識するあまり、道中そこかしこでジオワードが飛び交っていました笑
(ジオサウナ、ジオっぽい、ジオ飯、ジオヤw、、などなど)
それでは、時系列に沿いながら、今回も超濃密だった合宿のレポートをお届けさせて頂きます!
〈1日目〉
快晴に恵まれた中、全国各地からまずは経由地となる出雲でメンバーが集結!
ここからプロペラ機に乗り換え、隠岐を目指します。
無事に隠岐ジオパーク空港に到着。
バスに乗り換え、午前中は隠岐諸島の島後ツアーに行きました!
島後観光
今回お世話になったバスガイドの赤路さん。
キャッチフレーズは、
『生まれた時からバスガイド、我が家の家計簿はずっと赤字』笑
優しい語り口で話しているかと思いきや、突然流暢な(?)英語を話したり、隠岐にゆかりのある後醍醐天皇のモノマネをしたりと、エンタメ性も抜群でした!笑
ここで、隠岐諸島の概要をサラッとご紹介させて下さい!
隠岐の島という島は実は存在せず、大小合わせて180の島から成り立つこの地域を総称して『隠岐諸島(隠岐の島)』と呼んでおり、地域全体がユネスコの世界ジオパークに認定されています。
かつて隠岐は、ユーラシア大陸の一部でしたが「大陸からの分離」⇒「海の底から火山島」⇒「半島から島へ」など、 長い年月をかけて地形が変化し、今日の隠岐が成り立っていることにより、
自然環境・人の営みが世界的に貴重とされ、2013年に「世界ジオパーク」に認定されました。
島根・鳥取の県境から北方約60kmに位置し、約180の島のうち有人島は以下の4島のみとの事。
全体を合わせた人口は約2万人になります。
・島前(どうぜん)3島
①西ノ島町(西ノ島)②海士町(中ノ島)③知夫村(知夫里島)
・島後1島
④隠岐の島町
今回の旅のメインは島前に位置する海士町となりますが、初日の午前中を利用して島後のメインスポットを周りました。
屋那の船小屋
玉若酢命神社
隠岐国惣社として古くより崇敬されて来た神社。
本殿のみならず、入り口に佇む随神門、そして古代の隠岐国造の子孫とされる現在の宮司さんの社家の住宅も、国指定重要文化財となっているとの事です。
いざ、海士町へ!
島後のメインスポットを周り終えた後は、
いよいよ今回のメインである海士町へ向かうべくフェリー乗り場へ。
フェリーおきに乗り、移動します!
約40分の船旅を経て、いよいよ海士町へ到着!!
Entô代表を務められている青山さんにお出迎え頂きました!
どうしても生で見たかった、、、
そう、『ないものはない』のポスター!!
ありました!!!
いよいよ今回のメイン目的地となるEntôに到着です!
隠岐ユネスコ世界ジオパークの「泊まれる拠点施設」として2021年7月にオープンした、「Entô」
ジオパーク拠点機能と、その絶景を享受できる宿泊機能を中心に、従来のリゾート施設とは一線を画すまったく新しい価値観の複合施設をコンセプトに運営されています。
SDGsでも推奨される最小限の工程での施工を実現する全面CLT工法(Cross Laminated Timber)を、宿泊機能を持つ大型施設の建て替えとしては国内初採用。離島の新しい木造建築施工の在り方としても注目を集めているとの事です!
ジオラウンジ学芸員
深谷さんによるジオレクチャー
Entô到着後、まずは建物内のGeo Laungeにて学芸員の深谷さんによるレクチャーを頂きました。
そもそもジオパークとは何か?
ジオパークとは、地球科学的な価値を持つ遺産を保全し、教育やツーリズムに活用しながら、持続可能な開発を進める事を目的とした地域認定プログラムを指します。
2022年1月現在、日本には46地域の日本ジオパークが日本ジオパーク委員会によって認定されていますが、その内9地域がユネスコ世界ジオパークとしても認定されており、隠岐はそのうちの一つになります!
島の成り立ちについて地質学的な視点と歴史的な視点の双方から詳しく説明を受けさせて頂きました。
特に印象的だったのは、島前の三島、
西ノ島町(西ノ島)、海士町(中ノ島)、知夫村(知夫里島)のそれぞれが地理的で異なった産業が発展し、その産業によって島の人の気質もそれぞれ異なって来たというお話でした。
西ノ島町(西ノ島)は外海に面している事から、漁業が中心。
海士町(中ノ島)は地質的に唯一農業が可能な場所で、農業を中心に発展。
知夫村は三島でも1番面積が狭い事から牛を放し飼いにする文化が今も根付いているとの事でした。
海士町×Business Lab
ビジネスディスカッション
ジオレクチャーを頂いた後はEntôのカンファレンスルームに移動し、海士町関係者もビジネスラボメンバーによるディスカッションを実施しました!
まずは青山さんによる『海士町の地方創生と隠岐全体のこれから』についてのお話。
海士町の抱える課題は、
・人工減少(1950年7000人→2015年2300人)
・超少子高齢化(高齢化率40%以上)
・超財政難
の3つ。
そう、島は日本全体の縮図であり、島に日本の未来を創るヒントが必ずあるとの想いから地方創生に取り組まれているとの事でした。
そんな中、海士町における地方創生の目玉として計画されたEntôですが、
ホテル建て替えに当初は地元民の反対もあったようです。
財政難を立て直す為には外資の獲得が必須であり、島にまだ来ていない層を引き付けるためには良質なホテルが必要である事、そして海士町そのものよりもジオパークを訴求していく事をじっくり時間を掛けて住民の方々に訴求していったとの事でした。
また、海士町が目指すのは『フォアキャスティング型のなりゆきの未来』では無く、
『バックキャスト型の意志ある未来』。
取り組みの一例として、教育の魅力化×地域の活性化を軸とした『隠岐島前高校魅力化プロジェクト』をご紹介頂きました。
島だからできない、では無く、島だから出来る事に着目した教育の仕組み作りに着手し、
超少子高齢化地域では異例となる生徒増・学級数増・教職員増を達成したとの事です!
続いて、隠岐へ移住して4年目となり、隠岐DMOの中心メンバーとして地域創生に奔走されている石原さんによるプレゼンへ。
『島の中の人だけでは地域振興は難しく、外から来た人だからこそ、島の中で価値のある資源を見出す事ができる。』という言葉が印象的でした。
観光×環境×教育の掛け合わせを軸としたジオツーリズム地域振興を掲げ、隠岐という地域での活動を通じジオパークをベースとした観光地域づくり法人を目指していくとの事です。
そして石原さんの以下の問いかけにより、ナオさんやビジネスラボメンバーとの意見交換が始まりました。
・観光×環境×教育の中心に来る、ジオツーリズムのコアバリューは何か?
・皆さんの事業や価値観にとって、隠岐というフィールドが提供できる価値は何か?
この問いは、言い換えれば日本という国が今後生き残っていく上での問いとも近いなと思いながら自分自身も考えを巡らせていました。
意見交換では様々なコメントが出ましたが、
特に印象的だったコメントを以下抜粋させて頂きます。
ナオさん
『例えばサウナ(ジオサウナ)やレストランなど、この地域にしかない圧倒的なコンテンツがあればそこは自ずとディスティネーションになる。
ホテルのリニューアルだけでは差別化にならない。例えば、海の見えるジムを作ったとしても、その為にわざわざ行きたい人がいるかどうか考えると分かりやすい。
オリジナリティのあるコンテンツに向き合えるかどうかがとても大切』
大さん(ととのえ親方)
『モルディブに旅行に行く人はモルディブに行きたいから行くのでは無くてあの綺麗な海に浮かぶ水上コテージに泊まりたくて皆行っている。そのイメージを創れるかどうか。
今回実際に訪れてみて、ナオさんも言っていた通りサウナは非常に相性が良い場所なのではないかなと感じた』
それに対して、『サウナは既にブームになっており、後発で乗っかる形になってしまわないか?』という海士町関係者の方からの質問がありましたが、
それに対する大さんのコメントは
『今はサウナの“入り方”がブームになっているだけで、サウナそのものは文化として根付き、決して無くならないと思う。ウォシュレットも同じで、ブームが去ったから無くなるとはなっていない。皆が必要としているものは残るでしょ?笑』という非常に説得力のあるものでした。
ジオサウナandディナータイム@ジオラウンジ
ディスカッション終了後は、海士町の皆さんも参加し、お待ちかねのジオサウナとディナーへ!
この日は立食パーティー形式でEntô内のジオラウンジにて開催されました。
ナオさんのご挨拶から会がスタート!
ビジネスラボ合宿ではもはや恒例となった、入手困難なシャンパンとワイン。
今回も超贅沢なラインナップをマグナムで頂きました!!
そして、今回の為に特別にEntôの方々にご用意頂いたテントサウナ。
海を目前に見下ろしながら、地球を感じる事の出来る抜群のロケーションでの外気浴。
まさにジオサウナでした!
二次会は海士町のローカルスナック、みちくさへ。
お仕事を終えた海士町のメンバーも続々と合流!
ビジネスラボメンバーの皆様と海士町の方々の貴重な交流の場となり、とても楽しい時間でした!!
(やっぱりスナックって良いなぁと思いました。人と人の距離が一瞬で縮まりますよね笑)
[2日目]
2日目はジオトレッキング、まだ訪れていない知夫里島、そして無人島でのジオBBQ&ジオサウナへ!
自然を感じる事で、『ジオパークとしての隠岐』をより強く感じる事ができた1日となりました。
ちなみに、朝ランで見た朝焼けが感動的に綺麗でした、、
ジオトレッキングツアー(国賀浜〜摩天崖)
午前中はフェリーにて海士町から西ノ島町へ移動後、トレッキングツアーのスタートとなる国賀浜へ。
今回のトレッキングガイドでお世話になった福田さんです!
途中、所々で息を飲むほど美しい景色「たくさん出会う事ができました。
トレッキングという事で少し歩く程度かなと思いきや割とガチで1時間強、しっかりと登りました!笑
当初想定を超えた運動量により、身軽になった大さんw
ガッツリ登った甲斐あって、頂上からの光景は本当に圧巻でした!!
また、頂上には放し飼いの牛が。
(ひたすら草を食べていました笑)
ジオトレッキング後は、次なる目的地である知夫里島に向かうべくチャーター船を待ちます。
知夫里島→無人島でのジオサウナ&BBQ
チャーター船に乗り、次なる目的地の知夫里島へ移動します!
船での移動中、船長より「皆さんの普段の行いが良いのか、正面にイルカの大群がいます」とのアナウンスが!!
みんなで身を乗り出してイルカを探します笑
実際はかなりいたのですが、僕の写真テクの問題でかろうじて撮れたのはこれだけでした笑
(イルカ、分かります?w)
知夫里島に到着後、徒歩で無人島の島津島に渡ります!
ここでも牛が放し飼いになっていて、たくさんの牛さんと出会う事ができました!
道を進むと、先乗りしていた海士町メンバーの方々がBBQとサウナをご準備頂いていました!
特にこのロケーションでのサウナは唯一無二で、まさに昨日のディスカッションにあった”ディスティネーション”になり得る可能性を感じました。
個人的には今回の旅のハイライトでした!
もちろん更衣室は無かった為、ジオ着替え(ただの青空着替えですw)からのジオサウナへ!!
ホント最高でした!!!
ここまで水風呂用の水を運ぶために何回も車で往復頂いたようで、ご準備頂いた海士町関係者の皆様には本当に感謝です。。。
ありがとうございました!!
ちなみに、5月号のFIGAROのテーマは『自然に還る旅』。
隠岐諸島も取り上げられており、是非チェックしてみて下さい!
最高のサウナ&BBQでまさに『自然に還る』感覚を味わった後は、再度船に乗り、海士町へ戻ります。
Entôでのディナー&焚き火タイム
この日のディナーはEntô内のダイニングスペースにて頂きました!
昨日に続き、最高のラインナップ。。。。
入手が非常に難しく大変貴重なKRUGのGrand Cuvéeをナオさんよりサーブして頂き乾杯しました!
地元の食材を活かした食事もとても美味しかったです!
食事後は、Entôの前で皆で焚き火を囲んで二次会へ。
海士町のメンバーも合流し、お酒を片手にそれぞれが思い思いに過ごす柔らかい時間と共に夜がふけていきました。。。
[3日目(最終日)]
朝、窓から差し込む朝日の光により自然と目を覚ますと、そこには息を飲む光景が広がっていました。
(わたしの足映っててすみませんw)
目覚めの一杯に、ジオヤコーヒーを頂きました!
めちゃくちゃ美味しかったです!!
朝食後、フライトの時間の関係で帰路につく九州メンバーを皆で見送りました!
ツネさんはジオを感じ過ぎて鼻水が止まらなくなってしまったみたいですw
海士町ツアー&ととのえ親方によるTTNE講演
最終日は青山さんのアテンドで海士町のツアーと共に、町の名物でもある海士町中央公民館/中央図書館にて、ととのえ親方による講演が行われました!
海士町中央図書館は『島まるごと図書館構想』が掲げられる中、蔵書数は当初の3,000冊から現在では35,000冊に!
町民同士の合流の場としても重要な役割を担っているとの事で、島根県のモデル公民館にも指定されているとの事でした。
そんな海士町中央公民館にて、海士町メンバー向けにととのえ親方による講演が行われました!
僕もナオさんと大さんのサウナ本『人生を変えるサウナ術』を読んでからサウナの世界にどっぷりハマっていきましたが、これまで知らなかったTTNEの歴史や様々な取り組みとその裏に込められた狙い、メディア戦略は本当に勉強になりました!
(特に、”ギャップ“を利用する、という話が最も印象に残っています。サウナがこれまで持っていたイメージと、自分達が作り上げたいサウナのイメージのギャップを明確にし、メディアを攻める場合はる●ぶのような一般的な観光本ではなく、ゲーテのようかイケてる媒体から攻める事でサウナを「ダサい」から「イケてる」イメージに一気に転換し、カルチャーまで変えてしまったそうです)
TTNEアパレル展開、サウナプロデュース、サウナシュラン、テントサウナの展開などなど、ラボメンバーには馴染みの深い話題が大さんのサウナ愛に溢れた引き込まれる話しと共に展開され、海士町メンバーも真剣に耳を傾けていました。
実際に海士町でサウナ事業を展開していく事を想定した質問がいくつか出ていました。
ここ海士町でジオサウナが実現すると良いなと心から感じましたし、その日も決して遠く無いのではないかと思います!
講演の後は、後鳥羽上皇を祀った神社である隠岐神社へ。
桜がちょうど見頃でとても綺麗でした!
帰路につくべく、海士町を後にします。
ここで海士町の皆さま、Entôともお別れです、、
海士町の皆さんが用意してくれたテープカットはとても感動的でした。。。
遠く見えなくなるまでずっと手を振ってくれていた光景が今でも目に焼き付いています!
『ないものはない』は『全部ある!』
これにて本当の豊かさを巡る今回の2泊3日の旅は終了です。
本当の豊かさとは何か。
都会にだけで日常を過ごすとつい忘れてしまう感覚ですが、それを取り戻すための「旅」の時間を持つ事は非常に重要だと感じました。
是非皆さんも一度海士町、そしてEntôを訪れ、「本当の豊かさ」と向き合ってみてはいかがでしょうか?
ここは何も無かったけど、大切なものは間違いなく全部ありました!
最後になりますが、今回現地にてご一緒させて頂いた海士町の皆さま、今回のビジネスラボ合宿を企画運営頂いたワタルさん、ご一緒させて頂いたビジネスラボメンバーの皆さん、
本当にありがとうございました!!
ブログを読んで海士町に少しでも興味を持って頂けた方は、是非明日のトークイベントにもご参加頂けたら嬉しいです!!