こんにちは。!!

実は初投稿だったりしますが、

さとなおさんのお話を聞いて、ふと思い出した私の経験から、
「資生堂にみた強いファンづくり」について、書きたいと思います。

私は、学生時代、4年間資生堂で働いていました。

女性社員がほとんどの資生堂の化粧品売り場で、時短勤務する美容部員の夕方以降の代わりとして、後方業務や販売の補助をしていました。
身分は契約社員でしたが、いわば学生時代のバイト。
でも私は、社員と同じ思いを持って店頭に立ち、資生堂の一員としての意識が強くありました。
いつの間にか、資生堂の強烈なファンになっていたのです。

この仕事をしながら、私は、資生堂の ”企業内ブランディング”のすごさを強く感じていました。
今日はそんなお話です。

今思えば、【バイトの愛社精神を育てること=資生堂の強いファンづくり】だったのではないかと思います。

未来の顧客・ファン候補に、お金を払って(雇用して)、時間をかけて、コアファンに育てていく。
ずっと会社にいて業界麻痺している社員ともまた違う、社員と顧客の間のひと。
時に、いち消費者としての意見をくれたり、勝手に口コミしてくれたり、、客観的な視点を持つ、絶妙な距離感の存在です。

人は猫のように気まぐれなもので、軽いファンになっても、無慈悲にも去ったり戻ってきたりします。でも雇用してたら、波なくずっと傍にいてくれる支持者、というのも良いポイント。



●資生堂の強いファンの作り方。

(バイトの愛社精神の育て方)

まず、売り場デビューする前に、会社で100時間しっかりと教育があります。

研修初日までの1か月間、資生堂の商品を一式家に持ち帰り、試します。

(学生の私は、これだけでもとても嬉しかったし、お金をもらってこんなに楽しい仕事ができるんだとテンションが上がっていた)

会社での100時間の研修も、とても勉強になりました。
マーケティング的なことや、接遇、美しく見える立ち振る舞い、など学びます。
とにかく会社からギブギブギブ。

(お金をもらってこんなに楽しい仕事が!と再びテンションあがる)

社内教育用のビデオを見て、コーポレートメッセージ「一瞬も一生も美しく」を元に行う事業や商品についてのストーリー・思いの共有。
(研修後には、その思いを託された気持ちになっていました)

創立記念日には、毎年、会社から資生堂パーラーのお菓子が送られてきて(可愛い社内の限定の創立記念デザイン缶)、中には社長から国内・世界の全社員に向けて、使命を共有するような手書きのメッセージカードが入っていました。粋。感動。
https://creative.shiseido.com/jp/work/10530/


ある時には(140周年記念年か)、
「これが資生堂の原点です」と書かれた、物語の中に出てくるような美しい箱とボトルに入った可愛い香水が送られてきました。
バイトの私にも、、、!嬉しかったです。。(こんなところに、すごくお金がかかっているはず、、!と思いましたが、それだけ社員全員と思いやビジョンを共有することを大切にしていたのだと思います)

他にも、折に触れて、サプライズ的なプレゼントや感謝や、ときに賞与、メッセージが送られ続けました。
自分が感動をもらったら、今度は他の人(お客さん)に感動を与えようとなります。

定期的な研修としては、月1回、アルバイト全員が会社に集まり、新商品の勉強会。商品の思いやストーリーの共有。スタッフ同士がコミュニケーションをとれる場でもあります。(ファンミーティング)

私はもっと勉強したくなって、手を上げて、正社員の研修に参加したこともありました。
社員には、憧れるような素敵な先輩がたくさんいました。

私は、自分でいろいろな商品を買って自主的に試したり、休みの日でも思わず、化粧品売り場を覗き、人や売り場を研究するようになっていました。資生堂での仕事にどんどんハマっていました。そこまで行くと、自分が商品を販売する時にも、好きという気持ちや、話に熱がこもるのです。
「個人的には〜〜」というオススメの仕方も自然とできるようになります。

別にそこまでやれとは、会社に全く言われていません。でも、なぜそんなに情熱的になっていたかというと、やはり会社の思いや商品のストーリーに感動し、共感していたからだと思います。


ある時は、社会貢献活動として、精神病棟にメイクアップセミナーのボランティアスタッフとして関わりました。
自傷行為を繰り返し入院となり、表情すらない人、長期で入院している患者さんに対し、「社会復帰ための身だしなみ」というテーマでした。

顔を洗って、スキンケアをし、簡単な化粧をする
という流れの中で、
はじめて、鏡で自分を見て、自分と向き合ったとき。

うつむいていた表情がパッと明るくなり、顔を両手で覆い、涙を流し始める患者さんもいました。

それは患者さんにとって、自分をきれいに整えて、初めて自分を大切に扱った瞬間
でした。

スタッフであった私自身が、こう言った場面に立ち会うことで、多くのことを気付かされ、感動し、この活動を誇りに思いました。
資生堂の「一瞬も一生も美しく」というメッセージを感じた瞬間でした。

化粧する行為は女性に生きるエネルギーを与えると確信して、
東日本大震災の時には、単独で、宮城女川町にボランティアにも行きました。


今思えば、
いつの間にか、私がただのアルバイト以上になっていたこと、これこそ、資生堂の企業内ブランディングによる、コアなファンづくりだったのではないかなと思います。


(ちなみに、
さとなおさんが、ファンが類友に話し、新たなファンを呼ぶって言われてましたが、私も同じで、私の熱狂により、友達2人が資生堂で同じバイトを始めました。笑
私はバイトだから、資生堂が好き!って公言しやすかったし、友達にどんどん商品やキャンペーンを広めていたんです)

資生堂から離れてずいぶんと経ち、すっかり忘れていましたが、

今も迷ったら資生堂の商品にすることはあります。
さとなおさんのお話を聞いて、あのとき私は、明らかに資生堂どっぷりのコアなファンだったなと思い出し、ファンをどこから作ればいいかというと、まずは目の前にいる身内からだなと。まさに実体験エピソードでした!
(新規のファンを作るのではなく、今いるファンを大切にする方向!と言われていましたよね)

【目の前にいるファンになり得るような、一番身近な人のファン度を高める】
そう考えると、ファンづくりのアプローチって変わりますね。!

長文になりましたが、
資生堂のファンづくりについての事例を、

紹介させていただきました:)

スタバとか、他の会社の事例も面白いだろうな!是非お聞きしたいです。