第八弾は、自由を愛する自然派クリエイター佐藤シュン(@佐藤 シュン)さんにお話をお伺いしました。どのようなキッカケで起業をし、デュアルライフ生活を送るに至ったのか。アプリやEC事業など事業売却経験がありながら、なぜ「本要約」のYouTubeをスタートしたのか。シュンさんが感じている未来と今とは?

自由を愛する、自然派デジタルクリエイター    佐藤シュンさん
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 東京で建築サラリーマンを6年経験したのち、東日本大地震をキッカケにITという異業種にて起業。同時に長野県へ移住。アプリ開発、WEBサイト、WEBメディア事業を展開し、事業を4件売却。現在は、IT事業を営む傍ら「らしさ」あふれる世界を創るために、学びのコンテンツの一貫として本要約YouTubeもスタート。また、東京と長野のデュアルライフを送る。

価値観・ライフスタイルありきの生き方・働き方を

―この度はありがとうございます。まずはじめに、シュンさんの今のお仕事について教えていただけますでしょうか?

    詐欺師です。金髪だし。

―(笑)最近はYouTubeも始められていると思うのですが、いま一番大きな柱は何になるのでしょうか?

    ウェブサイトをつくったりとか、企業コンサルに入っていたりとかしています。企業と業務委託契約しているので、いくつかコンサル契約とウェブサイトのリニューアル系のチームリーダーみたいなのをやっています。あとは、10年ぐらい前からアプリをつくって売ったりしています。まぁ色々ですね。

―様々なお仕事をされていると思うのですが、共通点している価値観は何かありますか?

    事業自体は最初からあまり変わっていなくて。まず、どこでもできることしかやらない。その場所に行かなきゃいけないみたいなのは、全部避けています。

―そんなふうに考えるようになったきっかけは、どういったものだったんですか?

    きっかけは、サラリーマンとして建築をやっていて。当時、現場監督をやっていたのですが、東日本大震災があって現場へ行けなくなったりとか。あとは、家が町田に住んでいたんだけど、その日帰れなくて。でも、子どもも生まれたてなのに移動できない、その場に行かなきゃいけない、自分の意思で自由に動けないというはすごいリスクだなって、そのとき思って。そこから働き方を、業種もITに変えました。同じ努力をするなら伸びている業界が良いし、場所にとらわれない仕事のほうがいいなみたいな感じです。あとは社会不適合な僕だから、毎朝通勤電車にのるとかできなかっただけですw

    なので、僕が事業をつくるのって、こうしてインタビューを受けている間でも売上があがっていくものが多いです。WEB制作は労働集約型なので、理想はここをやらなくていい状態にしたい。制作の仕事が完璧になくなって、インカムだけの売上で成り立つような状態で、好きな本を紹介していたり、喋っているだけでお金になるような状態。かつ、それが皆さんの役に立つようなコンテンツであればいいなと思っていますね。

自分の人格が残る取り組みに投資する 

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―今回、アウトドアEC事業の売却をして落ち着いたうえで、YouTubeをやってみようって思われたきっかけはどのようなものだったのですか。

    まさにいま、お話してきたこととつながってくるのですが、アプリだったらアプリ、ウェブサイトだったらウェブサイトと、ECはECとかって、1個のブランドに対して1個のブランド、人格ができていくと思っていて。これって、つくって伸びたら置いておいて、伸びなかったら売ってとか、伸びても売っちゃうっていうこともあって。売っちゃうと自分の元に経験と知識以外何も残らないんですよね。1個ずつは好きなんだけど、何も残らないのは悲しいなって思って。だから今度は、自分の人格を伸ばそうと思ってやっています。もっと長い目で見て、死ぬまで投資しても消えないコンテンツだから、読書で自己投資しながら、アウトプットして人格を投資して貢献していこうと思います。

    今までは大きいビジョンを掲げて事業推進することが多かったけど、今は大きな目的や目標を置いているわけではなくて、僕という人間を知ってもらいながら、ふるいにかけながら賛同して残ってくれる人がいて、新しいサービスをやるときに、手に取ってくれる人がいたらいいな、くらいな感じでやっています。かなり属人的だけど、何でもコモディティ化する時代に、個人というコンテンツは一番おもろいと思います。

―ありがとうございます。YouTubeをやる上で、どうして「本」を選ばれたのか、お伺いできると嬉しいです。

    なぜ「本」なのかって言うと、すでに過去の自分が読みまくっていてすぐ活用できるからw 「時間がないので、本のまとめみたいなのを見るのは楽だな」と思って。そもそも本に価値があるから、わかりやすく自分の見解でまとめるだけで、役には立つだろうなとは思ってはいるくらいです。同じようなチャンネルはいっぱいあるんだけど、僕も年間100冊以上は読書しているし、実際に経営をする中でいろんな経験をしているので、自分の経験則でしゃべれる部分もあるなと思っています。視聴者には僕のしくじりの屍を避けながら、うまくいってほしいですw

▼シュンさんのYouTubeは下記から
https://www.youtube.com/@shun_sato


―いまお話に出てきたところで、ご自身のセルフブランディングが上手だと思うのですが、「セルフブランディング」は、もともと意識されてらっしゃいますか?   

    全然うまくはないけれど、起業したときはすごい戦略的に動いた感じはありますね。当時、コワーキングスペースをやっていたのですが、当時はまだ「コワーキングスペース」という概念があまりなかったので、あえてどんどん「コワーキングスペース」と名乗ってやっていました。本当は、オフィスをただ開放していただけなのですが。まずは、狭い中での1位を獲ろうということは決めてやっていましたね。これも本を読む中で「ランチェスター戦略」という戦略があったので、狭い中で1位を獲ろうと思ってやっていました。じきに新聞やメディアがいろいろ取り上げてくれるようになり、それが信用度に変換して、人が来てくれるようになりました。

―ありがとうございます。ちなみに、今後はどういった方向性で進めていきたいといったようなビジョンはあるんですか?

    わからないですね。もっと自由になりたい。起業して10年間である程度やり切ったので、背伸びせず素直に自分の感情と向き合いたいやりたいことをちょっとずつやっておくぐらいにしか考えてない、いまは。

デュアルライフで人間性を取り戻す 

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―ライフスタイルについてもお伺いしたいのですが、週末はしっかりメリハリつけてお休みされているのでしょうか。

    週末は子どもがバドミントンやっていて、バドミントンコーチとして帯同していますね。バドミントンはやったことはないんですけどねw。あとは、地元の商工会議所の青年部っていうところにいて、まちのイベントをつくったりしています。

―地元でも複数のコミュニティをお持ちなんですね。どうやって人のつながりを広げていったのでしょうか?

    バドミントンは強制的につながっただけですね。子どもが「やりたい」と言い出して、送り迎えしているうちにチームにも出来ることで貢献していく感じ。青年部は、全然やりたくなかったんですが、「今度ウェブをつくるから入れ」って言われて。正直、「めんどくせぇ」と思いながら入りました。本当に面倒くさくて最初の3年ぐらいは全然参加していなかったです。でも、だんだんと役割が出てくるようになって、一番大変な役回りを任されるようになってきたんですよね。そうなると、人との関わりが増えて、結果、仲良くなって楽しくなってきた感じです。思い返せば、自分が小さい頃に当たり前に行っていた夏祭りも、そういう人たちが作っているんだな、というのが裏側でわかってきたんですよね。僕も子どもが生まれたからかもしれないけど、継承していくことが大事だなと思って、最近はやっています。

―地元に戻られて心境の変化はありましたか?    また都会にも戻りたい、もしくは、もう少し増やしたいなど、そういった思いはありますか?

    戻りたいという思いはあまりなくて。やっぱり、適材適所で東京には東京の良さがあって、長野には長野の良さがある。「ビジネス」と「ライフ」みたいな感じで分けていますね。だから、とくに、どこどこに縛られるっていう感じではなくて、役割ごとに必要な場所に都度行けばいいかなと思っています。

    あとは、地元のコミュニティは、僕に欠けていたものを甦らせてくれた感がすごくあります。これまではITスタートアップでゴリゴリのロジカルで、論理的思考みたいな感じだったので、飲み会も時間のムダだと思っていっていなかったので、「冷たいやつ」に思われていました。でも、参加し始めて、飲み会も行くようになると、人間性を取り戻してきたなと思っているんですよね。東京はロジカルな感じで、もちろん良いところもあるんだけど、人としての温かさが失われている部分もあり、テクニックだけでモラルがないように感じる場面も多々あります。一方、地方は温かいんだけど、ロジカルさが足りないことが多く「気合い!」って感じなので。デュアルライフをしていて、「ロジカル」と「温かさ」の両輪が非常に大切だなということを学びました。    たとえば、ファンドにプレゼンへ行く時に「君の言っていることは熱いんだけど、根拠がないから人には伝わらない」って怒られたんですよね。なので、自分の中でしっかりエビデンスや根拠を作ったんです。地方の人にロジカルに説明をすると、「言っていることは正しくてわかるんだけど、なんだか冷たく応援したくないよね」ってなったんですよね。それも、いろんな場所に移動したから俯瞰的、客観的、相対的に見られるようになったのは、すごくよかったかなと。渋沢栄一の『論語と算盤』でまさに、同じようなことが書かれていて、めちゃくちゃいい本だなと思っているので、今度まとめようと思っています。(インタビュー後にアップされていました!)

【人生を変えた】1万円札の顔、渋沢栄一が明かす伝説の教え | 論語と算盤


選んだ道はすべて正解。システムに守られているんだから、やりたいことをやればいい。
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―シュンさんはやりたいことをどんどんやっているような印象なのですが、数年前の病気も影響していますか?病気によって価値観にどのような変化がありましたか?   

    病気になったのは4~5年前ぐらいですね。そのとき左脳に腫瘍ができて手術をする前に「論理的思考ができない」「しゃべれない」リスクがありますって言われて。でも、運良く良性腫瘍で、傷は残ったけど障害は全く何も残らなかったんですよね。その時に、残りの人生の時間も、好きなことができる時間、好きな仲間といられる時間が多い方が良いなって本当に思ったんです。なので、そうした時間が増えるような働き方や生き方をしようと思っています。   

    極論ですが、みんな死にかければ良いと思っているんですよねw。死んだら終わりだけど、死が本当に目の前にきたら、絶対考え方や行動が変わると思うんです。本当に死んだらだめですよ!

    病気をしたときに、社会保障やお金の問題とか、社会の仕組みをかなり調べたんですよね。会社も潰れるかもしれないし、働けなくなって家族はどうなるんだろうと。だから、日本のルールをめちゃくちゃ調べました。結果、僕が死のうが、働けなかろうが、家族は死なないっていうことが理解できた。日本はめちゃくちゃいい国だなって気づいたんですよね。なんでこんな守られているのに、挑戦してうまくいけば、儲けものだし。失敗したら失敗したで、日本人だったら制度に守られているからなかなか死なない。じゃあ、挑戦したほうがお得じゃんみたいな感じ。

Honda Lab.について
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―Honda Lab.はどのような方に向いていると思いますか?

    「個」がある人じゃないですかね。または個性が溢れそうだけど、ブレーキがかかってそろそろスタートしそうな人がフィットするんじゃないかと個人的には思います。あとはNaoさんの考え方に賛同できる人じゃないと続かないと思います。そりゃそうかw

―Honda Lab.に入ってよかったことはありますか?

    大人になって新しい友達ができる機会ってあまりないと思うので、仲良い人が増えたのはよかったですね。ナオさんフィルターがかかってるので良い人が多い。サウナ入ってて、メンバーにバッタリ遭遇することが何回かあって、これは縁だなーと思った。

―最後にHonda Lab.のメンバーにメッセージはありますか?

    一回、半殺しレベルまで生死を彷徨ってみよう!(笑)

―ありがとうございました!(笑)




    今回の「Honda Lab. SPOT LIGHT」では、多方面で活躍されているシュンさんの思考や価値観に触れるお話を伺うことができました。シュンさん、貴重なお時間をありがとうございました!

    今後もHonda Lab.メンバーへのインタビューを実施していきますので、どうぞお楽しみに!


interview  @みぃ
Text by  @Yasuto
Support. @Kei @まいまい