18第六弾は、動物病院業界全体のDX化に取り組んでいるHUMO(ヒューモ)という会社を経営されている、永瀬達也(@たつや  )さんにお話をお伺いしました。

Labではトライアスロンのリーダー(バイクリーダー)としてもご活躍されている達也さんvet×tech(獣医療業界×IT)、時間の使い方そして目標設定の方法とは?






株式会社HUMO (ヒューモ) 代表取締役 永瀬達也さん

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新卒でNTTドコモ入社、インテリジェンス(現パーソルキャリア)に転職後、上海で人材事業を立ち上げ、2012年に株式会社HUMOを設立。代表取締役。「人と情報をつなぎ、あって良かったを創り出す」というミッションを元に、つなぐ(獣医業界をつなぐプラットフォーム)の運営、ホームページ制作およびシステム開発事業を行っている。






VET×tech  コンセプトは「動物医療の業界をテクノロジーで変革する」

―改めて達也さんの事業内容とこれまでの経歴について聞かせてください。

    HUMO(ヒューモ)という会社を経営しています。現在は動物病院向けのサービスを中心に事業を行っています。具体的には、獣医師の採用の支援、獣医学部向けの就職イベントを開催、動物病院のホームぺージの作成、医療システムの構築、動物病院向けに完全に特化した形の受付システムなどを作っている会社です。
今日本には、動物病院が約1万2000ほどあるのですが、そのうちの約300の病院と取引をしています。


ー獣医療にフォーカスしたきっかけがあれば教えてください

    動物病院で行われる獣医療は、人間の医療と異なり保険診療が無いので、全て自由診療となります。その上、患者さんであるペットは声を出せないので、獣医師の先生の技術が高いのか判断がつきづらいと感じました。また、いろいろな獣医師の方とお話しする中で、技術が高いのにそれが伝わっていない現実を目の当たりにしていました。

    そんな状況を「これって本当にいいのかな」と思ったのがきっかけで、動物病院業界に2014年ぐらいに入っていきました。そこから 7、8年かけて獣医師の先生方と付き合っていく中で、ペットの診察はもちろん、輸入食品の検疫、動物園にいる動物の病気の治療など様々なところで獣医師の方が活躍しているのに、世の中の獣医師に対するプレゼンスはずいぶん低いように感じたのです。もっと獣医師のプレゼンスを上げたいという想いが年々強くなり、2020年ぐらいから動物病院業界に絞って、この2年ぐらいで一気に拡大をしてるところです。

スタートは法人営業。会社設立のきっかけは?

ー元々は、ドコモにいらっしゃったとお伺いしました。ドコモではどのような業務をされていたのでしょうか。

    ドコモでは、最初は法人営業をやっていました。僕はセイコーエプソンさんの担当を1年目からさせてもらっていて、携帯電話を絡めたシステムを売っていました。当時携帯会社で法人営業担当がいるところがほとんどなかったので競合がいない状態で営業をしていました。そこからスタートして当時のiモード事業部に行き、iモードのカスタマーサポートのような仕事を1年ぐらいしていました。

ーそこからインテリジェンスに移られて、そこではどのような業務をされていたのでしょうか。

    インテリジェンスでは最初人材紹介の法人営業担当をしていました。その1年後くらいに学生援護会を買収したこともあり、インテリジェンスとしてdodaをリリースするタイミングでその求人媒体を売るという営業をしていました。
インテリジェンスでの仕事が終わってから独立しようかなと思っていたら、その時のお客様に上海で人材事業立ち上げたいという社長がいて、その人から上海行ってやればというお話をいただき、上海に行きました。
    帰国後は、今から企業に就職するのも…と思い、できることから始めようと思って動物病院は関係なく今の会社を作りました。

走りながら、新しい業界をつくる!その先にある将来図とは

ー会社を作られて動物病院の業界にはどのように入っていかれたのでしょうか?

    大学院時代の友人の紹介で動物病院の先生と出会ったのがスタートです。動物病院が1万2000ある中で3000病院ぐらいが獣医師を欲しがっているんですが、獣医学部の学生って1000人しかいないんです。なので獣医師が取り合いになるんですね。そこの部分で何か上手い仕組みとか作れないか、という相談をもらったのがきっかけです。
    最初は、ホームページもシステムも作ったことがない状態から、どちらかというと人事コンサルのような立ち位置で入りました。

    動物病院業界では、経営をサポートするような集客や人材採用の支援をする企業が少ない状態でした。一般の企業では昔から開催しているような就職イベントも数えるほどの病院しかやっていない状況で、まだまだ改善の余地がありました。その状況を見て「この状態であれば、まずは採用サイトを作ったりした方が良い」と話したら、「じゃあ作ってもらえる?」と依頼をいただいたのがホームページを作るきっかけです。その後「医療システムもできないのか」というお話もいただき、快諾したことからスタートしました。

    そして次々に「こういうことやれないの」「僕だったらこうしますけどね」「それやってよ」というように、いろいろな先生から相談を受けるようになりました。その中で「電子カルテ作れないの?」という大きな相談があり、「僕だったらこう作りますよ」とお話ししたら「それやってよ、お金渡すから!」と言われ、人を雇ったりしながら、会社がいつの間にかそういった仕事をこなせるようなレベル感になってきました。

    将来的には、動物病院の方がweb関連の更新や保守、人材に関する相談があるときには、ボタンひとつ押していただければ僕らから電話がいって「何かありました?」と対応できるような形を作って、獣医師の先生方は、獣医のプロなので獣医としての仕事に向き合っていただくというのがベストだと思っています。

今はその契約をする動物病院の数を増やす取り組みをしています。まだ3%のシェアなのでマーケットは大きいと思っています。解約もほとんどなく、継続率は95%ぐらいということで、お客様に非常にメリットを感じていただいています。うちに連絡すれば何とかしてくれると思っていただいている、というのが一番大きいと思っています。

まずは2026年に全国の動物病院の10%に当たる1200病院と契約することに目標を置きながらやっています。ありがたいことに徐々に知名度も上がってきているので、今年と来年は一気に拡大していきたいと思っています。


ーこのサービスを知って貰うためどのような活動をされているのでしょうか?

昨年から、公益社団法人 日本動物病院協会の顧問をさせていただくことになりました。それがきっかけで、公益社団法人さんと就職イベントを実施したり、講師をさせていただいたりしています。また獣医師会の力も強いので、各地方にある獣医師会さんとコラボしたイベントをしたりして、徐々にリードを獲得している状況です。こういう地道な活動が実を結んできたのか「獣医師会とイベントやっているHUMOさんだよね」っていうのは、言われるようになりました。思い切った拡散はまだまだできていないので、そこは今後の課題となっています。

ー資金調達は考えられているのでしょうか?

現状は考えていません。
今は獣医師会等とコミュニケーションが取れる状態になってきているので、そういったところとうちの強みを生かしてコラボしていき、アプローチできる動物病院さんを増やしていければと思っています。

次なる一手は、シェルター事業?!

ー現在考えられている新しいチャレンジについて教えてください。

    会社として土地を買って、動物のためのシェルターを作ろうとしています。
動物の殺処分が社会問題になっていますが、それを会社として解決する方法はないかと模索する中で、いつもお世話になっている動物病院さんに恩返しできる仕組みとしてこの問題に取り組み、僕ららしい解決策を提示して変えていきたいと思っています。そこでまずは土地を買って、そこにシェルターを建てるところから始めるつもりです。

    今、保護犬ブームもあるので、それと含めて僕らなりの切り口でそこの部分を盛り上げて、話題になっている殺処分の問題のフォローをしたり、動物を飼う人を増やしたり、といった取り組みができるようにしていきたいです。
それ以外にも、動物病院さんに喜んでもらえるサービスを開発中なので、そちらも近日中にリリースする予定です。

ーシェルター事業は既存事業にどのように寄与していく立ち位置となるのでしょうか。

    未確定ではありますが、シェルターで僕らが保護犬を預かり、それを飼いたいという人が例えば横浜にいたら横浜の動物病院で検査をして渡す、というルールにしようとしています。そうすることによって、その動物病院の新規の患者様が増えますし、そこをきちんとまとめていくことで、動物病院と繋がりのあるシェルターとして、動物病院の売上にも貢献することができる新規事業の立ち位置として考えています。

    今、動物病院を対象にしたサービスを展開している企業の中で、資金調達をして会社規模を大きくしている会社が2つあります。その2社とも最近動物病院を作って自社で経営を始めました。今までお客様だったのが、競合のフェーズに行ってしまったんですね。動物病院の人たちはそれを目の当たりにして、動物病院にサービスを提供する会社は信用しきれない面があると思っています。僕らはそれと真逆のコミュニケーションを取っていかないと、取引数を300から1200に増やすことは難しいなと思っています。僕たちは動物病院に寄り添う形をとっていきたいと思っています。

まだまだ可能性が広がる「ペット」業界

ー今、ペットの監視カメラ等、ペット向けのテクノロジーも増えていますが「ペット」に関して考えられている取り組みがあれば教えてください。

    猫の腎臓をエクソソームで治そうという話もあって、動物病院の先生を巻き込んで話した時は「インパクトとしてはあるね」という話は出ていたので、そういう軸での再生医療も今後進むと思います。腎臓が治ると猫の寿命が一気に延びると言われているので、それも研究しています。ペット関係は、まだまだ未知な領域だと思っています。

    猫専門の病院も最近増えているので面白いと思うし、猫にお金をかける飼い主さんも増えているので、猫向けのサプリとかは作りたいとは思っています。

仕事もプライベートも充実させる「巻き込み力」

ー事業がお忙しいと思うのですが、プライベートで取り組まれていることはありますか。
    趣味としては、ご存知の方もいらっしゃると思うのですが、トライアスロンにガッツリはまっています。先日もLabメンバー7人で諏訪湖のトライアスロンに出ていました。趣味としては、今一番力を入れています。

    次回は富士山のトライアスロンに9月に出るので、そこが今年のオリンピックディスタンスのラストチャレンジになります。10月には、Labのメンバーとバルセロナのアイアンマンにチャレンジしようという流れになっています。

*2022年7月末時点:現在は10月のアイアンマンに向けてトレーニング中とのこと。


ートレーニングと仕事とのバランス、時間配分はどうされていますか?
工夫されていたり、何か取り組まれていることがあれば教えてください。


    僕は夕方にトレーニングすることが体的にも心的にも全くできないので、やるとしたら基本朝にやるというのを決めています。毎日5時前には起きるので、そこから7時ぐらいまでの時間はトレーニングに充てることを意識しています。ランやスイムを早めに動き出してやり、週に1日だけはバイクをやる時間を作っています。午前中の時間を上手く使いながらトレーニングしてる形です。

ー目標設定に対して、日々心掛けていることはありますか。

    目標については、長期的な目標と短期的な目標を必ず作るようにしています。
例えばトライアスロンはわかりやすい例だと思うんですけれど、ナオさんと「2時間20分で走る」という約束をして「ナオさんに宣言したからには、これは叶えなきゃいけない!」ということで、これを長期的な目標として設定します。そしてそれを達成するために月ごとや日々何をやらなくてはいけないかまでブレイクダウンして、短期的な目標を細かく設定します。

    ただ僕は意思が強い方ではないので、サボりがちだったり、キツキツにスケジュールが入ると嫌になってしまうので、最低限やらなきゃいけないという低い目標と、高い目標というのを1日毎に大体決めていて、それをやり続けています。
    仕事においても、そういうことを意識しています。間で修正したりとか、自分がサボりたい時は何にもやらないというのも緩めに管理しながら、最低限進んでいくというのをやっています。




今回の「Honda Lab. SPOT LIGHT」でも事業内容を中心に、いろいろなお話を伺うことができました。達也さん、貴重なお時間をありがとうございました!

今後もHonda Lab.メンバーへのインタビューを実施していきます。


interview   @Nao @Kei
Text by      @みぃ
Support     @Yasuto