HondaLab. SPOT LIGHT 第29弾は、小淵智也(@Tomoya さん)にお話を伺いました。
シンガポールを拠点に世界中を飛び回り、ITスタートアップ企業の支援活動をメインに行なっている智也さん。あらゆる国、業界を幅広く精通する智也さんの仕事観や未来の展望とは?
m&s Partnersにて、シンガポールを拠点に世界各地を飛び回りITベンチャー企業の支援を行う。
1番大切にしていることは「人」
― まず最初に、Tomoyaさんのお仕事について教えてください。
世界中のシード、アーリーステージにあるITスタートアップ企業の支援などを行っています。元々は商社などで勤めていましたが、2016年頃から縁があってIT業界に移りました。2019年に家庭の事情があったりして東京からシンガポールに引っ越しをして、2020年より今の仕事をしています。
― 色々な業界を渡り歩かれていると思うのですが、どのような基準でお仕事は選ばれていますか?
一緒に働く「人」を大事にしています。「この人と一緒に働きたい」「この人と一緒に働いたら楽しいかもしれない」といったことを第一に考えますね。これまでも新卒以外は主に知り合いの会社に参画をしているので、出会った方との縁を第一に仕事を選んでいます。
― 業界や業種はあまり意識しないのでしょうか。
そうですね。好奇心旺盛なので、面白いと思えば業界や業種を意識せず、チャレンジしてみたい、経験してみたい気持ちの方が勝ることが多いですね。今の仕事も、1つの業界だけに特化しているわけではなく、色々な国・地域、ビジネスを見る必要があります。もともと好奇心が旺盛で、ビジネスに関しても、訪れたりビジネスを添加する国や、趣味の食べ物に関しても、色々なものを感じてみたい、体験してみたいタイプなので、面白そうな話を聞くと、仕事としてやってみたい、チャレンジしてみたいと感じることが多いですね。
― 人を大切にされているということでお聞きしたいのですが、特に影響を受けた方はいらっしゃいますか。
今まで一緒に仕事をしてきた人たちには、影響を受けたと思いますね。僕自身は自己分析をすると、強いリーダーシップを持っていたり、話が特別上手いタイプではなく、強烈な個性を持っているわけでもないと思っています。どちらかというと、クリエイティブかつリーダーシップのあるリーダーと一緒に、ナンバーツー的なポジションにいる方がが心地良いし、そこで力を発揮できる人間だなと思っています。なので、強烈なそのような方々と一緒に仕事をすると、自分の良さが発揮できたり、チームとしてより大きな事ができるのではと思っています。そうした意味で、今まで一緒に仕事をしてきた経営者の方からすごく影響を受けましたし、その方々のお陰で今の自分がありますね。
― やはりさきほどから「人」が基準になっているように思うのですが、人との関係を築くうえで大切にしていることはありますか?
周りを見て、雰囲気を察して、組織の中で求められていることを率先してやったりしますね。あまりみんながやりたがらないことや組織の中で必要なタスクを察知して動くことは得意かなと思います。苦手なことや得意ではないことをやり続けるより、自分の得意分野で力を発揮する方が、結局のところWin-Winな関係も築けるかなと思います。
― ラボ内でも、絶妙なタイミングでブログを上げてくださったり、コメントを返してくださったりしていますもんね。
ありがとうございます。出張なども多く、仕事に集中していることが多いので僕も常にOSHIROを見られているわけではないのですが、やっぱりコメントなど何かしらのリアクションがあったら嬉しいと思うので、気づいた時はできる限りリアクションをするようにしています。
未来が読めない社会だからこそ長期目標は立てない
― Tomoyaさんに影響を与えた「人」をお伺いしましたが、その他に影響を受けたものはありますか。
仕事、家族、旅など、色々なものの影響を受けて今があるので、「すべて」という答えが本音です。でも強烈に影響を受けたのは、様々な国への渡航経験でしょうか。
学生の頃から一人でヨーロッパや南米をバックパックだけを担いで旅したり、今でも仕事でインド、アフリカなど1ヶ月の半分くらいは世界中を旅したりしています。
行く先々で出会った人や文化に触れて感じることも多く、今の自分を形成していると思うので、旅から得た影響が大きいですね。20代前半のときにNaoさんの本に出会って、世界中を旅しながら仕事ができればと夢に想っていましたが、実現できていますね。
― 今もシンガポールに住みながら働かれているわけですが、海外志向も強かったのでしょうか?
そうですね。振り返ると小学生の頃から海外に行ってみたい気持ちはありました。僕は大阪の田舎の出身なのですが、周りにはたまたま比較的裕福な友達も多くて、長期休暇で海外旅行に行っている話を聞いたりしていました。僕は祖父母がいる和歌山に帰省するくらいだったので、海外に対して憧れを抱いていましたね。また、子供の頃にロンドンで働いていた親戚もいて、そういう話を聞くとワクワクしていた、それが原体験としてありますね。
あとは、高校生までずっとサッカーをしていたのですが、たまたま高校生のときに遠征先で出会った海外のチームの人たちに、チームメイトから「なんか話してこいよ!」と言われたんですが、何も話すことができなくてもう少し話せたら良いな、と感じたことは覚えています。また、修学旅行でオーストラリアに行った時もホームステイ先で何も話せなかったので、そのときに「もっと英語を話せたら良いな」と感じたこともありましたね。
海外や語学に対してコンプレックスや、憧れなどが原体験としてあったのかたなと過去を振り返ってみるとそう思います。
―昔から海外へ行きたい気持ちがあって、留学もされたということでしょうか。
そうですね。大学時代にスペイン語を専攻していたこともあり、マドリードから西に電車で2、3時間ほどのサラマンカという小さな街に1年間留学をしていました。その時の経験が、今に強く影響していると思います。語学を勉強するだけでなく、様々な国籍の留学生、現地の学生、社会人の人たちと交流することが出来、それまで大阪の田舎でくすぶっていた自分に大きな影響を与えたと思います。
その後、大学を卒業してからカナダにもワーホリなどで1年半くらいいたのですが、カナダから帰ってきて、またスペインのバルセロナに行くんです。バルセロナではIT企業でインターンシップでデジタルマーケティングの業務をやっていました。その時にバルセロナの街をすごく好きになって、「将来バルセロナに住みたい」と思うようくらいになりました。
― 素敵ですね。その後、社会人になってから、具体的にどのような行動をしたのでしょうか。
新卒で入った会社で上京して、「ザ・サラリーマン」という生活をしていました。スーツを着て、満員電車に乗って朝から会社に行って、仕事が終わったら上司や先輩と酒を飲んで・・・。でもその生活は自分に合わなかったし、なにか違うかなと違和感を感じていました。。
そんなときにたまたま入った書店でNaoさんの著書と出会い、本に書いていることを実行してみたりしました。その経験が、やってみたけど合わなかったザ・サラリーマン生活から抜け出して、比較的自由度高く、自分がやりたい仕事を世界中旅しながらやっている今の仕事につながっていると思います。
― スペインの経験を含め、色々な経験を経て、今シンガポールにお住まいですが、今後やってみたいことはどのようなことでしょうか?
先日、ヨーロッパを2週間旅行して、またヨーロッパに住んでみたいとは思いましたね。考えることもたくさんありますし、まだ漠然とはしていますが。でも、旅行、食、サッカーなど、ヨーロッパには自分の好きなものが詰まっていて、住んでみることでより自分がやりたいことが出来たり、好きなものが身近にあるとQOLが上がると感じたので、もう一度住んでみたいですね。家庭のことやその他のことも考えてバランスも取らないといけないですし、それこそ定住しなくても、デュアルライフという形も良いかもしれません。仕事の面で考えても、ヨーロッパはフィットするんですよね。直接的になにかヨーロッパでビジネスをやっているわけではないのですが、今もアフリカに出張することが多いので、ヨーロッパだと時差がほぼないか同じタイムゾーンなので便利なんですよね。
今の仕事は楽しいですし、好きなので今後も継続していきたいと思っています。仕事面で今後成し遂げたいことを、あえて挙げるのなら、支援している会社が成功するのを出来るだけサポートしたり、成功を見届けたいですね。日本などでは創業から何年かしてから上場して、投資のリターンを得られるケースもあるのですが、僕が主に関わっているインドやアフリカの場合だと、成果を得られるまでに、7年〜10年、場合によってはそれ以上の時間がかかることも多々あります。だからこそ、自分が関わった会社が成功するのをサポートしたり、その過程は見守っていきたい、そこにやりがいを感じるなと思っています。
ただ、20年後、30年後にやってみたいことと言われると、正直わからないですね。20代の時は5年後、10年後の人生設計なんかも自己啓発本を読んだりして考えていました。でも今の世の中、コロナが急に世界中で広まってこの先どうなるかわからないような経験をしたので、長期的目標は立てないようにしています。「生涯現役でいたい」といった抽象的な長期的ゴールはありますが、具体的な目標は持たないようにしています。
― ありがとうございます。それでは最後に、ラボメンバーにメッセージをお願いいたします。
シンガポールに遊びに来てください。出張などでいないことが多いので出来れば僕がいる時に(笑)。事前にご連絡頂ければ調整します!
あと、来年7月にナイジェリア、南アフリカのスタートアップ企業・エコシステム訪問、ピッチイベントなどコンテンツ盛りだくさんのアフリカツアーを開催する予定なので、ご興味ある方は詳細についてお話しますのでご連絡ください。よろしくお願いいたします。
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今回の「Honda Lab. SPOT LIGHT」では、小淵智也さんの今を形成した過去や今後の展望まで様々なお話を伺うことができました。@Tomoya さん、貴重なお話をありがとうございました!
今後もHonda Lab.メンバーへのインタビューを実施していきます。お楽しみに!
Interview by @みぃ
text by @Yasuto