第38弾は、ちるちるキッチン代表 小田嶋 未散さんにお話をお伺いしました。人生の後半戦と“出会いに行く旅” 。 六本木の街角に、14年目を迎えるスナックがある。オーナーの彼女は2012年に開業して以来、派手さよりも「ここにいて大丈夫」と思える空間を大切にしてきた。彼女の歩みと、これからの挑戦について話を聞いた。
ちるちるキッチン代表。東京生まれ。2012年に紹介制スナックのちるちるキッチンを六本木に開業。Instagram:ちるちるキッチン
■ 安心できる場所を六本木に
2012年に六本木でスナックを開業して、今年で14年目になります。お店を営む上で一番大切にしているのは「居心地の良さ」です。「安心・安全・信頼・継続」というシンプルだけれど本質的なことを意識しています。六本木という街の中でも、派手さよりも「ここにいて大丈夫」と思ってもらえるような、人がつながり、束の間にほっとできて安心できる空間をめざしています。
Honda Lab.の皆さまにもよくご利用いただいております。いつもありがとうございます。お店ではゆっくりお話できるので、ラボメンバーの方にお立ち寄りいただけるのをいつもとても楽しみにしています。
私も毎日お店におりますので、まだお越しになられたことのない方もぜひお気軽にご連絡ください。
■ Honda Lab.がくれた新しい挑戦と出会い
—— Honda Lab.に参加した理由は?
もともと「食」に興味があったこともあり、趣味と人とのつながりを広げたくて参加しました。Lab.の活動を通じて、たくさんの刺激と学びを得ています。
—— 幅広いHonda Lab.の活動をされていますよね。
Naoさんと同じタイミングで寿司を学び、それをきっかけにNo Codeで米澤文雄@フミオシェフと一緒に寿司会をやらせていただいたり、ソムリエ資格を取って、しゅうまいとワインの会を開いたり、新しいチャレンジをすることができたのもHonda Lab.での活動がきっかけです。いまはSake Diplomaの取得を目指しながら、ピックルボールにも夢中です。
私にとってはすべてが「人とつながるためのコミュニケーションツール」になっています。
【東京すしアカデミー同期の皆さまと(写真左)/寿司会にて(写真右)】
【シュウマイを食べに来てくださったNaoさんと(写真左)/お店のワイン会にて(写真右上)/ お店の@Kei くんのクラフトビール会にて(写真右下)】
【ピックルボールのパドルを持ち、Naoさんを囲んで(写真左)/コートにて(写真右)】
■ 帰宅部”放課後育ち”
—— 学生時代の思い出を教えてください。
女子校育ちで、あいさつは「ごきげんよう」、校訓が「恥を知れ」という、礼儀に厳しい学校でしたが、放課後は渋谷や表参道に寄り道して、世のバンドブームにならいライブハウスへ通う青春期でした。校内の友だちよりも、外の年上の人たちと課外活動することのほうが多くて、“放課後育ち”だったなと思います。学校で礼儀、街で人間力。そのどちらもが、今のわたしを形作ってくれた大切な土台です。男女問わず年上の方から多くのことを教えていただきました。
■ 支えになっているママと一通の大きな封筒
—— 影響をうけた人はいますか?
独立前にお世話になっていたお店のママの存在が、今の私にとってとても大きな支えとなりました。
—— エピソードは?
自分でお店をやることを決めてその想いを伝えたとき、ママは涙を浮かべて寂しがってくださりながらも、静かにうなづいてくれました。最終勤務の日。お店を閉めてから送別会を開いてくださり、寄せ書きまでいただきました(今でも大切にとってあります)。
お会計も済んで、そろそろお開きというときに、ママから「はい、これ」と手渡されたのは、一通の大きな封筒。中を開けると、なんとお店の顧客リストが入っていました。そんなこと、普通では考えられませんよね。「がんばって」と、あたたかく、かっこよく背中を押してくださったママがいたから、いまのわたしがあります。いまも変わらずお世話になっていて、先日、そのお店は27周年を迎えました。
いまも大繁盛店で、尊敬できる大好きな方が、すぐそばでずっと背中を追わせてくださっていることは、本当に幸せなことだと思います。
■人生の後半戦と、“出会いに行く旅”
年を重ね人生を逆算して考えるようになって、「これからどう生きるか」「どう貢献できるか」を自然と考えるようになりました。 誰かの役に立つには、まず自分の価値を上げること。 いくつになっても学び続け、自分を育てながら、 「楽しかった」「また会いたい」と思ってもらえる時間や空間をつくっていきたいと思っています。
—— どんなことをやっていきますか?
これからは、“出会いに行く旅”をもっと増やしていきたい。 これまでもHonda Lab.の仲間たちと, @イトケン さんの東北美食ツアー、 @和田ちゃん の京都Replusツアー、@RUKAWAのみつるちゃん の滋賀RUKAWAツアー、@ナオキ さんの京丹後ぬかとゆげツアーなど、多くの旅をご一緒してきました。 来年は、@とし さんの知床「北こぶし」ツアー、@RYO さんの新潟・佐渡ツアーも計画中。 @ととのえ親方 のTTNE監修「サウナシュラン」のサウナをめぐる旅や、全国のラボメンバーを訪ねるツアーもしていきたいと考えています。 出会い、触れて、深めていく。 そんな“つながりの旅”を、これからのライフワークにしていきたいです。 ぜひ、ご一緒しましょう。
【京都Replus(写真左)/滋賀 Auberge RUKAWA(写真中央)と併設のサウナにて(写真右)】
【京都・丹後 @ナオキ さんの ぬかとゆげにて】
【@Taku さん @Takashi Watanabe さんの立ち上げた諏訪トライアスロンの応援会にて】
【福岡会 @コマツさんのお店にて(写真左)/ 熊本の@鶴田知佐 さんのお店にて(写真右)】
【年始恒例、港七福神めぐりと奥野シェフ@Yoshi ブリアンツァでランチ会にて(写真左) 大阪会パセミヤにて(写真右)】
■お店の未来とコラボの可能性
スナックの営業は夜だけですが、昼間の時間や週末など、まだまだ活用できる余白があります。Honda Lab.の皆さんとも、展示、イベント、試飲会など、何かご一緒できたらとても嬉しいです。 人と人のご縁をつなぐ場として、この空間を使ってもらえたら幸いです。
■ シェフのサインと“つながりの壁”
お店の壁には、尊敬するシェフたちのサインが並んでいます。 なかなか予約が取れない人気店も多いですが、「いつか必ず伺いたい」という想いを込めて、サインだけ先にもらっていることも(笑)料理人や生産者の方がふらっと立ち寄れるような、つくる人が集まる場所になっていけたらと思っています。
■Honda Lab.のみなさんへメッセージ
寿司も、しゅうまいも、ワインも、日本酒も、ピックルボールも—— すべてHonda Lab.がきっかけで始めたことです。 こうして新しい挑戦とつながりを与え続けてくれるLab.という場に、感謝しかありません。 挑戦を続ける皆さんの姿から、いつも刺激をもらって「私もまた頑張ろう」と思える。 これからも一緒に、おもしろい時間をつくっていけたら嬉しいです。
■ 最後に
これからも大切にしていきたいことは
「いまが一番幸せと言い続けられるように生きること」
「長く続けるために、変化し続けていくこと」
「酒と食と音楽と人とのつながり」
“安心・安全・信頼・継続”というベースを守りながら、これからも、自分らしい形で“つながる場”をつくり続けていきます。
引き続きよろしくお願いします。
■ ちるちるキッチンのPRをお願いします
港区六本木で、紹介制のスナック「ちるちるキッチン」を営んで14年目になります。スナックという業態は「飲んで歌う場所」というイメージがあるかもしれませんが、わたしのお店ではカラオケは基本的に行わず(貸切時のみ対応)、主に'80〜'00年代の洋楽・邦楽をYouTubeで流す、“静かに楽しむ大人のスナック”です。音楽はリクエストも可能です。お飲み物はボトルキープのお客様が多いですが、もちろんショットでもお楽しみいただけます。I.N.U wines @マコトン さんのナチュールワイン、GO-TO WINE @Yoshiki さんのNYワイン、黒木本店 @黒木 信作 さんの焼酎、仙禽 @kazuki さんの日本酒など、Honda Lab.でご縁をいただいたお酒も多数ご用意しています。名物は、自家製しゅうまい。ワインや日本酒に合うように仕上げてあります。醤油や辛子はつけずそのままどうぞ。
JAL国際線ラウンジのオリジナルビーフカレーなどもご提供しています。女性スタッフのみで運営しており、女性のお客様にも安心してお越しいただけることも特徴のひとつです。当店はご紹介制ですが、Honda Lab.メンバーの方は大歓迎ですので、はじめての方もお気軽にご連絡ください。Instagram:ちるちるキッチン
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今回の「Honda Lab. SPOT LIGHT」では、
Lab.がくれた、出会いと挑戦のレシピや人生のアップデートのお話と安心できる六本木のお店の話を伺いました。
みちるさん、貴重なお話をありがとうございました!お店の”つながりの壁”のサイン、今度はどんなビッグネームの方が書いてくれるのか楽しみです。
今後もHonda Lab.メンバーへのインタビューを実施していきます。お楽しみに!
Interview by @わか
Text by @わか